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裁判の実際
 
 
 
  実際の事件での訴状、準備書面を見ていただきながら裁判を理解して頂きます。

 
 
 
解雇予告手当金等請求事件
 
 
 
  訴訟物の価格   金 819,780 円
貼用印紙額    金 7,400 円


請求の趣旨

1、 被告は原告に対し、次の金員を支払え。

金 1,115,760 円並びに内金 295,980 円に対する平成15年8月27日から完済まで年5%による、内金 295,980 円に対する本判決確定の日の翌日から完済まで年5%の割合による、内金 523,800 円に対する訴状送達の翌日から完済まで年5%の割合による、各金員を支払え。

2、訴訟費用は被告の負担とする。

との判決及び仮執行の宣言を求める。但 し付加金部分については判決確定前の執行力の付与を求める仮執行の宣言を求める。


請求の原因

1、当事者
原告は、被告である株式会社ネットワーク社に雇用されている社員である。被告は 複合施設などの都市開発及びスポーツ・飲食業などの企画運営を主な業とする株式会社である。

2、労働契約の成立
原告は、求人広告に掲載されていた被告会社の求人広告を見て、被告会社に対し採用の為の面接を受ける意思があることを伝え、平成 15 年 3 月 14 日会社に赴き採用の為の面接を受けた。平成 15 年 3 月 20 日に試用期間はなしとの内容で期限を定めずに雇用契約を結び、被告に雇用され、以来被告会社の経理補助及び企画書作成アシスタントとして勤務していた。(甲1号証)(甲2号証)

3、退職伺い
原告は、平成 15 年 8 月 25 日、被告会社の代表取締役鈴木一郎(以下 鈴木)に対し、退職の件につきその条件を相談するため、就業時間が終わり次第、話を聞いてほしいと代表取締役鈴木に頼んでいたが、鈴木が外出及び来客があり対応できないため、鈴木の右腕である山下太郎(以下 山下)に話の内容を伝えといてほしい旨が鈴木より伝えられた。原告は、仕方なく鈴木に指定された山下に対し、以下の条件で辞職できないかを質問した。それは、雇用保険の受給資格が平成 15 年 9 月3 0 日の受給資格期間満了をもって取得できるので、9月末日で退職したいのだが認めて頂けるかというものであった。

4、即時解雇
翌 8 月 26 日、訴外山下が、出張先から連絡をして来た鈴木に対し、原告に 9 月末日をもって退職したい意思があることを伝えると、被告代表者鈴木は激怒し「明日から来なくていい」といい、原告は自分都合で辞めるのだから8月末日をもって解雇すると訴外山下に伝え、同日、その旨を、山下は原告に申し渡した。 それに対し、原告は、この山下を通しての被告代表者鈴木からの8月末日付け解雇の申し出に対し、社長には退職の条件についてお伺いをたてただけなのに、突然、それをもって解雇するというのでは困る。9月末日にならないと雇用保険の受給資格もとれないし、明日からの生活もあるからと解雇の申し出の受諾を拒否した。これに対し山下は、代表鈴木は、原告にはもう会わないだろうし8月末日までは有給をとるということにして、8月末日退職ということにして明日から会社に来ないほうが良いと原告に告げた。 そこでやむなく会社から、午後、労働条件相談センターに電話相談したところ、代表鈴木の山下をとおしての原告への解雇の告知は会社の解雇にあたり、会社には労働基準法上の解雇予告手当ての支払い義務が生ずるということであった。代表鈴木の直接の解雇申し渡しではなく、山下の口をとおしての解雇の告知が、一体、有効なものであるのか疑問ではあったが、代表鈴木が直接の面談を拒絶している以上、一方的な解雇の申し渡しと解さざるを得ず、労働条件相談センターの示唆に従い、解雇予告手当て支給について会社が考慮しているのかどうかを社員である秘書役をとおして被告代表者鈴木に確認して貰いたい旨伝えた。

5、解雇予告手当ての支払い拒絶
9月1日になり、被告会社の秘書より、解雇予告手当ての件で、被告の顧問税理士川上に話を聞くよう社長鈴木から指示があった旨自宅に電話連絡があり、その指示に従い川上税理士より話を聞くと、代表鈴木は、原告から8月末日をもって退職の申し込みがあったので、その申し込みを承諾しただけで、即時解雇にはあたらず合意解雇であり、したがって解雇予告手当てを支払う意思はないということだった。

6、原告の反論
原告は、8月末日をもって退職する旨を申し出たことはなく、山下にも今辞めれば、雇用保険も貰えなくなるので困るといっただけである。しかも8月27日から会社に来るなといわれ鈴木代表から直接話を聞くため自宅で待機していた。ところが、原告から8月末日をもって退職の申し込みがあったと事実と異なることを被告代表者は顧問の川上税理士にいい、それを根拠に違法な即時解雇を合意解雇と主張している。原告は被告の解雇申し出を承諾したことはない。

7、港労働基準監督所
9月2日、港労働基準監督所に出向いた。9月3日には自宅に会社からも解雇予告手当ての件につき電話があり、代表鈴木とも話し合ったが、鈴木は一方的な言い分を激して主張するばかりだった。港労働基準監督所では解雇予告手当てを会社に請求することを勧められ、書類が渡されて、直接代表本人に解雇予告手当てを請求した事実が必要であると言われたので解雇予告手当てを電話で請求したところ、被告会社から離職票及び給料明細一覧表(甲3−1号証)(甲3−2号証)(甲4−1号証)(甲4−2号証)が送られて来たので9月5日、港労働基準監督所に必要書類を持参し相談をした(甲第5号証)。それにより、港労働基準監督所が被告会社に解雇予告手当ての支給を指導することになった。

8、港労働基準監督所の指導の結果
9月24日、港労働基準監督所から連絡があり、被告会社の代表者、鈴木と面談し、又、被告会社から書面にて回答もあった旨告げられた。 それによれば、被告会社の主張は以下のようなものであった
 
 
(1) 原告からは、解雇とも解雇予告手当ての話も出なかったので円満退職と思っていた。自分は解雇したとは考えていない。
(2) 被告会社の作成した離職票に解雇と書いてあるのは事務員がかってに書いたもので代表鈴木のあずかりしらぬところである。
(3) 入社時、1年は退職しないとの契約を結んだのに突然の中途退職は原告の債務不履行である。
(4) 残業もやってくれないし職務に不熱心であった。
 
 

以上の被告会社の主張につき、原告には、次のような言い分がある。

(1) については、退職の条件について問い合わせはしたが直接退職について確定的な申し込みをした覚えはなく、従って、労働基準監督所より解雇予告手当ての手続きにつき話を聞くまでは、会社側の一方的な出社拒否は違法無効であると考えていたから会社を辞める積もりはなかった。仮に会社の解雇の申し込みがあったとしても、それにより雇用保険の受給資格を失うような不利な申し込みを原告が承諾するはずもない。従って被告会社の主張する円満な合意退職はおよそ事実とは異なる。
(2) 仮に事務員が記載したのだとしても、被告会社には従業員への使用者責任があるのであり、しかも官公署に提出する文書に虚偽の記載がなされたというのであれば、その責任は被告が負わねばならないし、又、その事実をもって抗弁とすることは出来ない(甲第3−2号証)。
(3) 1年間退職しないという解除制限の特約は無効と考えられるが、少なくともそのような重要な特約は、当初の雇用契約の要素と考えられ、もしそのような雇用契約の特約があるのならば文書で明示的に定めなければならないがそのようなものは一切ないし、原告もそのような条件の申し出を承諾した覚えはない。
(4) 事実と異なるし、雇用契約の当初に残業手当は出ないと代表鈴木に言われたにもかかわらず、しばしば手当て無しの残業はしている。

結局、労働基準監督所としては、指導は不調に終わり、事実関係および権利関係の確定のために原告に訴訟手続きを勧めるという結果となり、今回の原告の訴え提起となったものである。

9、原告の法律上の主張
被告会社の退職の申し出につき、原告はその申し出を承諾していないのであるから退職についての合意は成立していない。被告会社の退職申し出は、一方的で理由の無い告知であるから、労働基準法上の即時解雇にあたる。

労働基準法は、公共的観点および憲法25条、27条の要請から契約自由の原則に制限を加えたものであって、特に使用者の解雇権行使については被雇用者の生活に重大な影響と損害を与えかねないものであるから、特段の事情のある場合に限って使用者の解雇権を認めている。使用者の解雇については労働基準法第20条にその要件を定めており、無理由で解雇する場合には30日分以上の平均賃金を支払わなければならないとし、この法20条の義務を怠った時には、法119条で6ヶ月以下の懲役又は30万円以下の罰金刑に処せられることになっている。又、法114条は、法20条により使用者が支払わねばならない「未払い金のほか、これと同一額の付加金の支払いを命ずることが出来る」としている。特別法により、解雇予告手当て未払いについて刑罰の他にこのような義務が使用者に課せられている趣旨は、使用者には、労働者を雇用するにあたり、民事法上の債務のほかに、公共的義務の順守が国民により命じられているからである。使用者の気まぐれや感情によって、雇用という継続的契約が恣意的に解約される危険から労働者を保護しているのである。

然るに、被告株式会社ネットワーク社は、原告の不確定的な意思を奇貨として違法な即時解雇におよんだものであり、従業員規則(甲第6号証)に基づき一ヶ月以上前に退職伺いを申し出た原告に対し、それを直ちに退職申し出ととらえ、原告の退職条件問い合わせに答えることもなく、使用人を通じ原告の承知しない8月末日での解雇を告知したのである。さらに即時解雇を合意解雇と監督庁においても強弁し、無効な合意解雇を理由に、未だに解雇予告手当ての支払いも拒否している。これは極めて悪質な行為と言わねばならない。

加えるに、被告会社の違法な即時解雇により、その行為がなければ、当然に受け取ることの出来たはずの雇用保険金についても受領不可能となりその受領権が侵害された。また、被告会社との雇用契約であるにもかかわらず、本来、被告会社より支払われるべき給与の内 75,000 円を被告グループ会社の訴外株式会社ネットワークワンから支払い、雇用保険給付対象となる給与金額を減少させ、しかもこの給与支払い形態を雇用契約として聞かされていない(甲第7号証)(甲8号証)。被告会社は上記労働基準法上の責任の他にも、この権利侵害による民法上の責任も負わねばならない。

10、解雇予告手当金及び付加金請求及び損害賠償金の請求
(1) 原告は、労働基準法第20条に基づく解雇予告手当金の請求権を有する。
(2) 本件については、労働基準法114条、同20条による付加金の支払いが命ぜられるべきである。
(3) 原告の正当に受領すべき雇用保険金の給付請求権が被告の違法な行為により侵害されたのであるから、民法709条による損害賠償金の請求権を有する。

11、解雇予告手当て及び損害賠償金の金額の算出
解雇予告手当て(原告の平均賃金額30日分)の算出
(1)原告の平成 15 年 8 月(同年  7 月 21 日から  8 月 20 日までの分)
給与額 302,550 円 
(2)原告の平成 15 年 7 月(同年  6 月 21 日から  7 月 20 日までの分)
給与額 302,550 円
(3)原告の平成 15 年 6 月(同年  5 月 21 日から  6 月 20 日までの分)
給与額 302,550 円

以上より、過去3か月分の賃金の合計額は 907,650 円である。(甲第7号証及び8号証) 過去3か月分の給与の支払い期間は 92 日間であるから、合計額を同日で 除すると日額は 9,866 円となり、その30日分は 295,980 円(1円未満四捨五入)であり、この額が、原告の30日分の平均給与額となる。


損害賠償金額(雇用保険受給予定額)の算出

(1) 平成15年4月から平成15年9月(被告の不当解雇が無く、原告の予定通りの退職であった場合)までの賃金合計額
平成15年4月  302,550 円
同5月  302,550 円
同6月  302,550 円
同7月  302,550 円
同8月  302,550 円
同9月  302,550 円(予定)
合計     1,815,300 円

(2) 上記期間の平均賃金額(甲第6号証8頁) 1,815,300 円÷ 180 日= 10,085 円(1円未満切り上げ)
(3)基本手当て日額(甲第6号証8頁および9頁) (−( 10,085 円× 10,085 円)+( 25380 × 10,085 円))÷ 26500 = 5,820 円(1円未満切捨て) (3) 受給予定合計額(甲第9号証6頁) 5,820 円× 90 日= 523,800 円

12、結論
よって原告は、被告に対し、解雇予告手当金 295,980 円、解雇予告手当金と同額の付加金並びに解雇予告手当金 295,980 円に対する本件解雇の翌日である平成 15 年8月27日から完済まで賃金の支払いの確保等に関する法律所定年14.6%の割合による、付加金に対する本判決確定の翌日から完済まで民法所定5%の割合による遅延損害金及び損害賠償金 523,800 円並びにこれに対する平成15年8月27日から完済まで民法所定5%による各遅延損害金を求める。

 
 
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