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平成 1 6年(ハ)第xxx号 不当利得返還請求等事件
原告  山田 花子 被告
有限会社 イングランド
準備書面  平成 1 6年 月 日

東京簡易裁判所 民事4室 御中
原告 山田花子 訴訟代理人司法書士 勝瑞 豊

1、 2月7日付被告答弁書についての原告自身の反論は甲第13号証陳述書1のとおりです。
2、 原告の主張

契約に至った事情原告は平成15年3月25日、被告会社の運営するイングランド留学センターに入会する契約を結ぶと同時にその費用全額を払いました。原告は旅行代理店に勤める会社員ですが、かねてより海外留学をして語学力をパワーアップし、これからの厳しい競争の時代に生きて行けるようになろうと考えていました。そして留学案内(甲9号証)、インターネット等での情報に触れているうちに、被告のイングランド留学センターを知り契約を申し込むことになったのです。提出した甲9号証〜甲10号証に見られるように、被告会社提供の留学プログラムは、海外に憧れる若者をいかにも魅惑する内容の写真や文章にあふれています。

契約の内容
契約の内容は被告提出の契約書写し、甲11号証(16 P~ 22 P )記載のとおりですが、要約すればイギリス渡航と語学学校留学手続き及び現地生活のケアサービスの供給を一定期間(原告の場合は一年間)受けるというものです。原告がプログラム料金を一括支払えば、引き換えに現地のイングランドサポートセンターで一年間のケアサービスを受けられることになっています(甲11号証 16ページ)。

本契約の問題点
契約後の事情は、甲第13号証陳述書1のとおりですが、契約締結後、遠い外国の地で、もし被告作成のパンフレットにあるようなサービスが受けられなかった場合、又は不十分なサービスしか受けられなかった場合にはどのような対策や補償が用意されているのか、原告はそのことについて強く不安や疑問を感じました。

確かに、甲11号証48ページの会員規約には後段の免責条項に「当社の故意又は過失により、プログラム参加者が損害を受けた場合、損害を賠償する責に任じます」とありますが、イギリスにおいて生じた損害を、プログラム参加者はどのように立証し、被告が賠償に応じない場合には、イギリスの裁判所にでもその損害賠償請求をせよということなのでしょうか。あとで良く考えてみれば、この契約は申し込み者にとり非常にリスクの大きい契約だと思いました。これでは、いったん代金を支払ったあとは、ひたすら供給者である被告会社の善意を一方的に信用するしかないのです。結局、事実上、留学生としての外国での生活の運命を被告会社に一方的にゆだねることになってしまいます。 被告主張の会員規約について述べます。被告会社の会員規約には、契約のキャンセル条項として「本人の自由意志・あるいはそれに準ずるキャンセルについては、納入されたプログラム費用はお返し致しません」とあります。原告が解除を被告に告知したのは、プログラム開始前であったので、留学プログラムについて、具体的には何らのサービスも受けておりません。それにも関わらず、納入したプログラム費用と航空券代全額を返還して頂けないのは不当だと思います。

甲11号証のイングランド留学センター案内の48ページに確かに被告指摘の「会員規約及び参加要綱」が掲載されていますが、資料編含めると58ページにも及ぶ大部のものです。申し込み前に、被告会社の山本さんから、それを読んでおくようにと一般的には言われましたが、キャンセル条項について、被告からは、特段の説明はありませんでした。又、この規約のキャンセル条項を、あらためて今読み返してみると、被告の言う「恣意的解約は原則として認められない」とあるのは、プログラム開始後のこととも読め、消費者にとっての不利益条項であるにも関わらず、この規定自体が、一義性、明確性を欠いています。

消費者契約法第4条2項では、事業者の不利益事実の不告知についてこれを取り消せることになっていますが、「コンメンタール消費者契約法」(商事法務研究会)63ページによりますと、この取消権の趣旨は、契約締結前「事業者は、消費者に対し有利な事実を告げた以上、不利益な事実を告知する義務を負う」ので、それを怠った以上、いつでも契約の申し込みを取り消せるという趣旨と、解説しています。このような消費者法の規定する消費者、事業者、公平の法理から見ても、被告のキャンセル条項を根拠とした反論には理由がないと思います。申込者である消費者は、外国において生じるかも知れないリスクに対して無知であり、現地での情報については当然に被告、サービスの供給者が、言語の問題も含めて、圧倒的に優位な立場にあります。このような地位を背景にサービス提供の前払い契約を締結して、契約後の解約については、例え所定のサービスを履行していなくても前払い金の全額を返還しないというような特約が法の立場から見て許されるのでしょうか。

被告は答弁書、請求の原因2に対する反論において、「当社の仕事の性格上原告のような申出を無条件で認めた場合、ビジネス的に売り上げ基準が認められず、正当な業務が行えない」と、前払い金不返還特約を正当化しています。被告はビジネス上のリスクを、暗闇の中の案内人という有利な立場を利用して、全部、申込者、消費者に転嫁しているように思います。 語学留学斡旋契約のキャンセルについては、甲9号証54 P のウイッシュインターナショナル社のように「標準旅行業約款」に範を仰いで一ヶ月前の契約の取り消し料を無料、つまりそれまでに支払った費用の全額返還を明示しているところもあります。

被告会社のイングランド留学センターへの苦情について
甲12号証は、検索エンジンヤフーで平成16年2月17日原告が検索した留学案内のホームページ掲示板上での被告会社への苦情をプリントアウトしたものです。原告は、被告を非難するためこの被告に寄せられた苦情を援用したわけではありません。ここに掲示されている発言を示すことによって、外国での長期にわたるサービスの供給契約が、適切な履行の保証と申込人の権利保護条項の明示を欠いたものであるとき、いかに契約消費者を不安に陥れるか、それを示したかったのです。 供給者側の被告が自ら認めるように「当社の仕事の性格」は特殊であって、外国でのサービス供給を予約するこのような契約には、消費者にとっての大きなリスクが含まれているのです。ですから供給者には、契約消費者に対して、通常の国内取引に比し、格段の配慮が要せられるものと思っています。そして、信義則上、インターネットばかりではなく、申込者には、面談を含めた十分な手段をこうじて、その説明責任を果たさなくてはならないと思います。

請求の原因
以上の事実をもとに請求の趣旨に対する法律上の原因を述べます。

日本の経済社会、取り引きの世界は、先進各国と同様、私的自治と契約の自由を大原則に成り立っています。契約の自由もあれば、被告の営業の自由も憲法で保障されています。しかしながら、契約、約束の厳守は、契約の申込者、承諾者双方の平等と完全な意思の自由の存在、合致が、その前提となっており、これを欠く契約は無効又は取り消しうるということになっています。この原則を維持するために、契約当事者に著しい情報不均衡がある場合には、その契約に一定の制限を加えて契約両当事者の平等を確保するようにしています。それが消費者契約法等消費者保護のための特別法であり、民法の諸規定です。その民法の651条1項には、「委任は各当事者において何時にてもこれを解除することを得」とあります。原告は、後述の理由により本契約の解除については消費者契約法11条1項、民法651条1項に基づき解除権を行使し、原状回復義務に基づく返還請求権により、支払済みのプログラム代金700,743円の返還を求めます。

和解の申出について
和解の申出については、応じたいと思います。原告の解除により電話代等損害も生じたでしょうから、解除による相当な因果関係の認められる被告の直接的な損害については、その証明があれば「やむをえない事由」条項にもかかわらず認めたいと思っております。ただし、経営上、営業上の商人が通常負担すべき損失、広告費や申し込みの誘引に要した費用他間接的な損失については、それは利潤追求にともなう当然のコストであり商人の当然に受忍すべきリスクでありますから認めません。

<参考条文>
消費者契約法

第1条(目的)
この法律は、消費者と事業者との間の情報の質及び量並びに交渉力の格差にかんがみ、事業者の一定の行為により消費者が誤認し、又は困惑した場合について契約の申し込み又はその承諾の意思表示を取り消すことが出来るとするとともに事業者の損害賠償の責任を免除する条項その他の消費者の利益を不当に害することとなる条項の全部又は一部を無効とすることにより、消費者の利益の擁護を図り、もって国民生活の安定向上と国民経済の健全な発展に寄与することを目的とする

第10条(消費者の利益を一方的に害する条項の無効)
民法、商法その他の法律の公の秩序に関しない規定の適用による場合に比し、消費者の権利を制限し、又は消費者の義務を加重する消費者契約の条項であって、民法第一条第二項に規定する基本原則に反して消費者の利益を一方的に害するものは、無効とする。

第11条
消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示の取消し及び消費者契約の条項の効力については、この法律の規定によるほか、民法及び商法の規定による。
以上   (原告の被告への請求につき、被告の理解を得るための準備書面となりました)
証拠方法
1 甲第9号証   留学案内雑誌
2 甲第10号証  提携バーリントンスクール・パンフレット
3 甲第11号証  留学センターガイドブック
4 甲第12号証  インターネット掲示板からのコピ
5 甲第13号証  陳述書1 「答弁書に対する返答書」
6 甲第14号証  陳述書2  KLM 航空券についての「報告書」

付属書類
1 甲9ないし14号証(証拠の一部写し)    各1通
2  原告準備書面副本    1通
   
 
 
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