麹町の法律事務所、「破産再生ドットコム」さんが、今度は債務整理を「一社2万9千円ただし減額成功報酬加算」に値下げした。私の事務所は5月から「破産再生ドットコム」さんの「自己破産14万9千円」のおかげもあり、自己破産同時廃止を従来の半額9万円に値下げした。もっとも、自己破産はこれまでもほとんどは法律扶助協会の援助を利用していたから、つまり10万円でやっていたので実質1万円の値下げということになる。
貸金業法の改正の動きのなかで、日本の消費者金融の世界は大きく変わって行きそうだ。日本では多重債務者への「おまとめローン」の評判は、かっては整理屋と言われ、はなはだ悪かった。しかし英国では「おまとめローン」もれっきとした金融ビジネスとしてなりたっている。日本の消費者金融の良くないところは、どこも罰則金利29%にはりついて金利競争のないところだ。
先日多重債務のサラリーマンのお客さんが相談にやってきた。消費者金融大手8社から合計350万円を借りていて、現在、東京スター銀行の「おまとめローン」に借り替えようかと考えているということであった。3年前にリストラにあい現在は保険会社の営業マンであるが、借金は失業中の生活費ということで、借り入れてから日も浅かった。東京スターの「おまとめローン」は知っていたが、その貸付の実態を契約書でみて驚いた。本格的に破産一歩手前の多重債務者に無担保無保証で長期貸付をしようとしている。サラリーマン氏は迷っていた。もし私の事務所で債務整理をすれば、若干返済額が減り分割返済にして経過利息もなしになる。しかしブラックにはなる。それよりも、東京スター銀行から年利12,5%で借りて一括返済し、東京スターに7年の分割で支払ったほうが良いか・・・そこを迷っていた。毎月5万円の返済となり、私のところで債務整理をしても期間は短くなるだろうが月5万円の返済額は変わらないだろう。
しかし、その一方で、東京スターさんは、年間利息43万7500円×7年、306万2500円を儲けることになる。このことをお客さんには説明したがその後音沙汰はない。お客さんにはお客さんの計算がそれなりにあるのだろう。とりあえず東京スターから借りてサラ金には一括返済し、時を見てさらに安い金利のローンに借り替えようと考えているのかも知れない。
無担保無保証使途自由500万円まで年7%という消費者ローンを楽天クレジットが始めた。おまとめローンが可能か電話してみたが「お問い合わせで大 変混雑しておりご迷惑をおかけしております。しばらくしておかけ直しください」ということで切れてしまった。サラリーマン氏のような人が多数問い合わせているのだろう。楽天クレジットの年7%は、岩手信用生協の多重債務者向け貸出金利9%よりも安い。資金の自己調達力のある楽天のような会社が消費者金融市場に登場すれば、在来の消費者金融は、貸金業法の改正をまたずしてきわめて厳しい状況におちいることになる。
それでは、激烈な価格競争をしている、ホームロイヤーズや破産再生ドットコム、わが事務所など法律サービス業者はどうなるか。債務整理より元本カットビジネス、破産や再生が主となるのではないか。ブラックをいとわない人は債務整理を選択するだろうが、一時の借り入れで信用情報上ブラックの扱いをうけるよりは安い金利で返済した方がましと、それが可能なら普通はそう考えるだろう。とすると、その反面で、どうせブラックになるのなら自己破産ということにならないか。であれば、9万円で自己破産の時代がやってくるような気がする。
東京スター銀行には縁がある。昔、昔、倒産前の東京相和銀行の城南地区の支店はほとんど私の縄張りだった。それが倒産し、その結果、私は、登記から破産ビジネスに転換、それから早くも10年近くとなる。不動産バブルは崩壊した。今度はクレサラバブルも崩壊するだろう。来週、有能な補助者が一人やめる。みんなで送別会をするが寂しさを感じる。彼はもともとは司法書士試験を目指していたが、気象予報士の試験に合格し、モリタさんの会社に行くことになった。顧客の評判も良かったのに。近いうちに事務所は、認定司法書士を一人採用しようと思っているが、安く親切、オープンマインド、これを忘れずに、こじんまりしぶとく、みんなでやってゆこう。これからも世の中何があるかわからない。
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