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  過払い利息金返還請求日記 (1−1)
 
 
 
勝瑞司法書士事務所勝瑞司法書士自宅マンション

2006年、1月29日、日曜日。明日、月曜日に千葉上総一ノ宮簡易裁判所で法廷が1時からある。その準備のため今日は日曜出勤だ。朝は快晴、8階の自宅を出ると横浜の高層ビル群がくっきりと見える。 事務所は、今、模様替えをすることになっているが、日頃の忙しさと手狭さで乱雑はやむをえない。

こんなところで我々は日々、債権者との交渉や、債務者との連絡をしたり利息の再計算や再生計画案を立てたりしている。

債務整理

債務整理の制限利息引き直し計算にはエクセルが不可欠だが、それでも200回とか300回の取引を、法廷に行く前には細かくチェックしなければならない。記入漏れは時々ある。記入するのは人間だからこれは仕方がない。だからチェックは不可欠だ。最近は判例も出揃ったので悪意受益者の6%の金利を私の事務所でも加算するようになった。10年以上前からの継続取引であるとこの金利は巨額なものになることがある。過払い利息金の返済額が120万円でも、この悪意受益者の金利請求分が100万円近くなることもある。利息制限法違反に対する罰金のようなものだが法律違反の高金利でがっぽり儲けていたのだから返還は仕方がない。

非常に煩雑複雑な計算が簡単に行えるようになったのもパソコンのおかげだが、最近は計算ソフトも広く出回るようになった。私の事務所ではそれを使い勝手のよいものに改良し独自の計算ソフトで能率向上を図っている。

 
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  過払い利息金返還請求日記 (1−2)
 
 
 

この不当利得返還請求事件は、千葉県上総一ノ宮に居住するサラリーマンが、札幌市の債権回収会社に対して、51万5347円の過払い金の返還を求めて起こした裁判である。私の事務所ではサラ金訴訟については通常2〜3回で和解で決着を見るので、期日が何回あろうと、そのリスク、すなわち解決までの時間労力の負担はこちら、事務所の能力の問題と考えて相手方一社について、その間、何回期日があろうと5万円の確定料金と決めている。日帰り圏なら交通費だけで日当も頂かない。しかし今回の裁判は例外的に長くかかり、今回で6回目の期日、次回の弁論が最終でそれから判決ということになりそうだ。本音を言えばさすがにまいったなというところだが、私の事務所の過払い金訴訟の安さは、サラ金にショックを与えることで、訴訟前の早めの解決を促進することに真の狙いがある。東京の消費者金融大手は、当事務所の方針を知っているので最近はほとんど訴訟前の和解で決着する。

過払い利息金返還請求日記

今回の相手方の会社は、札幌だったのでこのことを知らなかったのだろう。債務処理開始通知書を送ったのが平成16年11月5日だから、1年経ってまだ終わらないということになる。相談者は平成16年10月、サンケイ新聞の広告を見て千葉からやってきた。ヤミ金4件から追われていて、他にサラ金7社から300万円の借り入れがあった。五反田は今はサラリーマンの町で日曜日は実に静かだ。電話もかかってこないから、ゆっくりのんびり仕事が出来る。6時、事務所を出る。日はすでに暮れていた。

過払い利息金返還請求日記

1月30日、今日の法廷は1時開廷だ。朝9時半、自宅を出て蒲田駅から品川駅に向かい、そこから千葉駅で乗り換えて上総一ノ宮に向かう、千葉までは千円出してグリーンにのりパソコンで新聞各社のニュースを見る。私はここ5年来新聞をとっていない。パソコンとTVで十分で、必要な記事はパソコンからプリントアウトする。TVも報道2001やサンデープロジェクト、裏番組のサンデージャポンなどは、予約録画して、日曜夜に、ビールを飲みながら見るのがいつもの事となった。

当然、コマーシャルは早送りする。20世紀産業社会は、大衆の時代であると同時に大マスコミ、TVの時代だった。それも終わり21世紀は個人の時代、インターネットとパソコンTVの時代になったようだ。

 
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  過払い利息金返還請求日記 (1−3)
 
 
 
過払い利息金返還請求日記

電車に乗るとホームロイヤーズ(法律事務所)の電車広告が目に付く。この広告もすっかりお馴染みとなった。最近はラジオでもCMを流している。数年前はこのような広告に批判的な識者も少なくなかったが、今ではそのような批判の声も聞かない。弁護士や司法書士の広告では、今でも価格表示をしていない事務所が多いが、このホームロイヤーズは広告を始めた当初から一貫して価格を明示している。

それでどんどん発展していてその勢いには驚かされる。価格広告のお陰で依頼する人達は安心できるし、その上弁護士や司法書士の費用も安くなる。実際、広告が解禁されてから弁護士の報酬は10年前に比べれば半分以下になっているのではないだろうか。さて千葉で外房線に乗り換えるとそこから30分ほどで上総一ノ宮駅に着く。被告のT社は最初に管轄の移送を申し立てて来たがこれは却下された。以後は書面での弁論が続く。簡易裁判所の法廷では書面による弁論が可能なのである。私の方は裁判官の話も聞けるし全会出廷している。やはり出廷していたほうが良いだろう。

過払い利息金返還請求日記

しかし、勝てそうなときには私もたまにこの方法を用いる。宇都宮や水戸など関東圏ではあるが地方の簡易裁判所での事件も少なくないからだ。過払い金の訴訟と言うのは理論というより証拠をめぐる戦いだ。業者は証拠を持っていてもなかなか出してこない。

一方原告の債務者はATMの紙一枚でもあればいいのだが、10年前のものなどはたいてい捨ててしまっている。古い銀行の通帳も捨ててしまっている場合が多いが銀行から取引履歴を取り寄せると古いものが判明することもある。今回の事件ではたまたま平成9年のATMの振込用紙があってこれが役にたった。

 
 
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  過払い利息金返還請求日記 (1−4)
 
 
 

そんな債務者のために有力な手段として文書提出命令という制度があるが、被告がこれに応じなければ申立人の言い分を認めてしまうという強力な力があるので裁判所も文書提出命令の発動には慎重なようだ。又文書提出命令を出してもらうためには、調査嘱託により銀行から取引履歴を取り寄せる努力をするなど、証拠収集への努力を示さなければ命令を出してもらうのは難しいだろう。

過払い利息金返還請求日記

今回は被告が当初誠意をみせなかったこともあって、原告に対して文書提出命令が出された。それによりやっと被告は取引履歴を出してきたが17条書面も18条書面も出してこなかったから被告作成の計算書が正しいものであるかどうか分からない。文書提出命令の申立書には、証明に要する文書をもう少し細かく特定すればよかったと思った。法廷は午後1時に始まり例により10分で終わった。1時30分の東京行き特急に間に合った。駅前の宝亭という魚屋さんで干物を土産に買い東京に向かう。

過払い利息金返還請求日記

電車の中で、相手方からの準備書面を読み、明日の午前10時と11時の東京簡裁での裁判の作戦を考える。認定司法書士になってまもなく3年。月に4〜5件、裁判を申し立てているが最近は過払い金返還請求にすっかり特化してしまった。それでも負けたことが2回ある。原告に証明資料が全くなければさすがにいかんともし難い。過払金返還訴訟の難しさを最近やっと感じるようになった。東京から一宮まで3時間。冬の日は暮れ始めていた。

過払い利息金返還請求日記

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