さて、今度は供給側、司法書士の側から見た司法書士のサービス価格について考えて見ましょう。
皆さんは、司法書士はともかく弁護士は皆金持ちと思われているでしょう。多分それは誤りで実態は銀行の課長に満たないほどの所得の弁護士が多数であると思われます。一部大金持ちの弁護士が目立っているだけで、そのような事情は司法書士も同じです。
しかし、現在の金持ち弁護士、金持ち司法書士は、戦後50年の法律業務独占と強力無比のカルテルが生み出したものです。ですからこれからは、どちらの金持ちクラブの顔ぶれも、異なる市場環境のもとで競争に勝ち残った人たちに徐々に変わって行くでしょう。
司法試験合格3000人時代の到来が秒読みに入っていますが、そうなると、アメリカのようにマクドナルドで店員のアルバイトをしている弁護士や、探偵もどきをする弁護士、アンビューランスチェーサー(救急車を追っかける弁護士)なども出現して来ることになり、一方では中国で日本企業相手に大成功する弁護士も出てくることでしょう。
実際、戦後経済成長と不動産神話、不動産担保主義のもとで大きく、業界用語では地位向上、成長してきた司法書士達は、1990年代の10年間をとおしてのバブル経済の崩壊、自由市場経済への転換の中で、登記市場が縮小し、その結果の売り上げ減少、会計担当の奥さんがパートに出、本人は夜アルバイトをする、ついには店をたたんで他人の事務所の番頭になるなどということは、珍しいことではなくなりました。そして、この環境の激変にも関わらず予備校の宣伝文句を鵜呑みにして今や司法試験並みの競争率の試験に合格しても、司法書士有資格者が、コンビニでアルバイトなどということも当たり前のことになっています。
結局、それほど遠くない日に、弁護士報酬は多分、完全な成功報酬となり着手金なるものは無くなってしまうでしょう。何故なら、力ある新人弁護士が経費リスク自分もちで大事件に挑戦するようなことが頻出してきて成功を収めることになるからです。その結果、国民は経費を負担せずに弁護士を依頼でき、一方、勝てない弁護士は没落します。
しかし、そのことは国民にとって大きな利益です。
さてここで「機会費用」という概念を考えて見ましょう。モノやサービスのコストを考える上で、この「機会費用」という概念は重要であり、ミクロ経済学(市場構造についての学問)における最も基本的な概念です。
「機会費用」はまた「失われた代替的選択肢の経済的費用」としても説明されます。 |