さて、「機会費用」という概念の内容について説明しておきましょう。
この概念をもちいると、弁護士資格や司法書士資格の経済的価値を推定することが出来ます。例えばロースクールに600万円払って3年間勉強し弁護士資格をとったとします。その間の住居費や生活費が1200万円とすれば、会計帳簿上は、弁護士の資格は1800万円ですから、では、このコストを弁護士業務で稼ぎ出せば黒字と言えるのでしょうか。
実は陰の費用があります。それは、その3年間ロースクールに行かなければ、働いて所得を得ていたかも知れないし、世界旅行が出来たかも知れないし、音楽的才能があればミュージシャンとして成功していたかも知れない。あるいは、働いて所得を得ながら一発試験の司法書士試験に合格しマンション売買の集合的移転登記で儲かっていたかも知れない。
ところがロースクールに行くことで、特定の貴重な代替的選択を諦めたことになる。従って、弁護士資格の真の経済的費用は、ミクロ経済学の立場から見れば、貴方にとって次善の代替的選択肢を諦めたことによる価格、つまりそうしなければ得たであろう利益こそが貴方にとって真の費用となるわけです。
ですから、弁護士稼業で稼ぎ出さなければならない回収費用は、支出した1800万円+失われた得べかりし費用(機会費用)となるわけです。
もう一つ例をあげます。貴方が、1000万円持っていて1000万円のマンションを買いそこに居住したとする。そして5年後マンションは500万円に値下がりしたとする。もしマンションを買わないで他の金融資産で運用していたら、この5年間で配当が50万円入ってきたとする。とすると、このマンションに費やした本当の費用は、買わなければ失わなかった500万円と50万円、それに1000万円を足したもの、1550万円なのです。
日本人はバブルで大損こきました。そして今度はどうやら増税とインフレのダブル爆弾。出生率が下がるわけです。 |