認定司法書士の利息制限法引き直しと
過払い金返還請求こそが問題解決の鍵
司法書士に訴訟代理権を与えるべきかどうかが司法制度改革のひとつの争点となった。弁護士の訴訟代理権授与反対派の多くは債務整理分野への司法書士の進出を怖れていた。しかし、現状を見れば、その怖れが現実のものになったとは言えない。認定司法書士はまだまだ頑張る必要がある。
最高裁判所の相次ぐ判決は、消費者金融の利息制限法違反につき極めて厳しいものとなって来た。その上、消費者金融に対する勝訴判決も集積してきた。ということは、消費者救済の側に立つ認定司法書士にとっては、消費者金融との法廷闘争にとってみると、これまでになく、戦いやすい有利な環境が整ってきたのである。さらに金融庁は最近そのガイドラインを見直し、貸金業者の取引履歴の公開を義務付けた。これにより認定司法書士は、わずかな勇気と行動で無数に見える多重債務者たちの失われた利益を回復することが出来るようになった。
この作業に必要なのは、受任通知の発送による債権者からの請求の遮断と、取引履歴の取り寄せ、利息制限法による再計算、将来利息のカットと分割払いの和解契約の作成、場合によれば法廷における不当利得返還請求、これだけである。訴訟を含め同一の作業を成し遂げるのに弁護士に出来て認定司法書士に出来ないものは何ひとつない。
司法書士にとっては、弁護士とのサービス競争においてさらに有利な点がある。国民の間に定着した「司法書士は弁護士より安い」という評判である。一度敷居を高くしたものが、これを安くするのは容易ではない。安くすれば反って国民から疑惑を持たれる。今日この原稿を書いているときに、4チャンネルの「行列の出来る法律相談所」で、若手弁護士大集合という特集をやっていた。冒頭紹介された、独立開業に成功した32歳の若手弁護士の仕事も債務整理で、支店をこれからいくつも作ると鼻息が荒かった。認定司法書士は、このような弁護士たちと価格とサービスの質をもって公開の場で正面から競争する必要がある。それが多重債務者たちへの真の救済につながるのである。
競争する若手弁護士と認定司法書士があいまって利息制限法違反で得た超過利潤を消費者金融より取り戻し、多重債務者に返還する。特定団体に従属しない一般の弁護士、司法書士が広くこのようなビジネスを展開すれば、結局、返還請求を怖れた消費者金融は、当然になりふりかまわぬ過剰融資を抑制することになる。これが事後規制というものではないか。前段の小口生活資金への融資体制の完備、後段の過払い利息の返還請求、経済的破綻者の経済自立人への厚生プログラム、雇用機会の提供、これらによって日本の消費者多重債務問題は解決する。
小泉改革は中途半端だと非難される。しかし小泉政権時代に始まった司法制度改革と弁護士司法書士の広告規制の撤廃と価格競争政策の導入は確実にその効果をあげている。その最大の成果が多重債務問題の解決と消費者金融の正常化であった・・ということになってほしいと思う。簡易裁判所はサラ金の許可代理人の活躍する舞台だった。それが近いうちには認定司法書士の活躍する舞台になってほしいと思う。
司法試験合格者9000人が取りざたされているが、大きくなった弁護士会に間違っても認定司法書士がそこに取り込まれてはならないだろう。より大きな弁護士カルテルを阻止するためには、実質簡易弁護士の認定司法書士が、いつまでも独立した制度であってほしいと願う。それが国民の利益である。
これまで弁護士界を何時になく多々批判してきたが多くの弁護士達が優秀で誠実な人達が多いことは十分承知の上での批判であった。司法書士の多くは弁護士に比べて社会的視野が狭く物事の考え方もステレオタイプである。おそらくそれは登記という業務の特殊性からも来ているのであろう。登記から訴訟への業務転換はそれほど容易なものではない。投資も必要であり、一般顧客を獲得するための営業政策と活動も必要だ。経営体質も変える必要がある。
しかし、今、認定司法書士には広く国民の支持を得る絶好の機会が訪れている。弁護士が見向きもしなかった特定調停制度、自己破産者救済に大きな効果を収めた法律扶助協会、そして債務整理分野で日々実績を積み重ねつつある認定司法書士、これからの多重債務問題の解決と活力ある日本経済の再生に、これらの新制度は、地味ながら大きな影響を及ぼして行くことになるだろう。しかし、今、認定司法書士には広く国民の支持を得る絶好の機会が訪れている。弁護士が見向きもしなかった特定調停制度、自己破産者救済に大きな効果を収めた法律扶助協会、そして債務整理分野で日々実績を積み重ねつつある認定司法書士、これからの多重債務問題の解決と活力ある日本経済の再生に、これらの新制度は、地味ながら大きな影響を及ぼして行くことになるだろう。
消費者信用生協の研究はここで一旦終えることにします。
第二部として「貸金業法改正の行方」をシリーズとして掲載する予定です。 |