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平成21年(ワ)第*****号不当利得返還請求事件
 原 告  株式会社アルファ
 被 告  株式会社ロプロ
       

第二 準 備 書 面

                

平成21年*月**日

  

東京地方裁判所民事第25部単4係 御中

            

原告 株式会社アルファ
代表取締役 A  印

はじめに

 これまでの被告の主張をここで整理すると、@原告被告間の継続的な金銭消費貸借契約について、その取引を、手形貸付取引約定書(以後基本契約という)に基づいた一連の取引が、基本契約に基づく一体の、一口の契約と見るか、独立した複数口数の取引とみるか、その評価の問題 Aその評価によって定まる制限利息違反の過払い金の充当計算問題の2点に絞られる。Bそれに原告第一準備書面で反論済みの「悪意の受益者」についての抗弁、それと、C予備的主張として、「平成12年9月20日弁済による取引の終了、平成17年11月8日に全く新たに取引が開始したから、平成12年9月20日以前に累積した過払い金は、平成17年11月8日以後の取引に充当出来ない」との主張がなされている。それ以外は、被告主張の個別取引説を正当化するための過去からの判例理論の紹介となっている。以上を前提に以下被告の準備書面に反論する。

1 計算書について

 被告平成21年6月16日付け準備書面の計算書及び平成21年7月21日付け準備書面 1 については争う。

 原告訴状添付の計算書は、昭和39年11月18日最高裁大法廷判決以来の利息制限法違反により生ずる超過利息分の元本充当理論により計算したものであり、手形決済による形式面を強調した被告主張のような個別取引の集合とは見ないから、被告計算式及びその主張を認めることは出来ない。
被告、潟鴻vロ(旧日栄)への判決は多数あるが、被告の取引形態は、それら判決の事実認定から見ても、違法金利を効率的確実に得るための特殊定型的な金融取引のパターンをしめしており、この定型取引については、以下の最近の判決を見ても、基本契約に従属する継続的な複数の取引で、これを一体の、一口の金銭消費貸借と評価する判決が多数である。(甲第5、6、7号証)

原告も当然に、平成6年4月28日から平成20年12月17日までの金銭消費貸借取引(甲1号証 貸付明細書)を一個の一体の取引と考えている。被告ロプロとの不当利得返還等請求事件で、平成19年12月27日の和歌山地方裁判所の判決は「本件取引による各貸付はいずれも本件基本契約の元本極度額1000万円の範囲内で、約6年7ヶ月にわたり、継続的に本件基本契約の内容に沿った方法でなされた手形貸し付けであり、39回にわたる貸付のうち、前回の貸付けに対する弁済と同日に新たな貸付がなされたものが実に29回にも及び、これらは、それまでの手形を決済して新たに手形貸し付けを行うもので、実質的には借り換えないし期限の延期と認めるのが相当である。・・・そうすると本件取引の実態は全体として一連一個の取引に等しいものと見るのが相当である」と、被告との取引を、貸借の決済に手形の形式を利用したものに過ぎないと評価している。甲1号証 貸付明細書からも覗えるように原告においても同様な取引が行われている。(甲第5、6、7号証)

 このような被告との取引の充当計算について、平成20年2月13日の松山地方裁判所の判決は被告の貸付取引態様について「各借り入れは個別の取引であると考える余地がある。しかしながら、過払い金の充当関係においては、当事者間に繰り返される借入れが、仮に、被告主張のとおり複数の個別のものとしても、充当計算の方法も個別でなければならないわけではない。同一の貸主と借主の間で基本契約に基づき継続的に貸付と弁済が繰り返される金銭消費貸借取引においては、借主は、借入れ総額の減少を望み、複数の権利関係が発生するような事態が生じることは望まないのが通常と考えられることから、弁済金のうち制限超過部分を元本に充当した結果、当該借入れ金額が完済され、これに対する弁済に指定が無意味となる場合には、特段の事情のない限り、弁済当時存在する他の借入金債務に対する弁済を指定したものと推認できるのであり(最高裁第2小法廷平成15年7月18日判決)、債務者の充当意思が充当計算方法の決定につき極めて重要である」としている。

2 最高裁判例解説について

 被告は、答弁書においても、準備書面においても「最高裁第2小法廷平成15年7月18日判決およびその判例解説」を援用して被告の個別貸付論を正当化しようとしている。法廷は判例の解釈論を戦わす場とも思われないが、被告援用の「判決およびその判例解説」の重要部分について反論しておく。

 被告答弁書の4は、この最高裁判決が「過払いが生じた場合にその時点で充当すべき債務が存在しない場合は、充当処理することが出来ず」ということをもって、あたかも「新たな貸付が行われたとしても」「充当することは出来ない」と拡張解釈しているが、本判決はそこまで立ち入った判断はしていない。

 被告準備書面二、1 「契約の個別性」では、「あえて・・・単一性を認定することは困難であろう」という最高裁第2小法廷平成15年7月18日判決の判例解説の一文を援用しているが、被告引用の「・・困難であろう」に続けて、解説者は「ただし、1個の貸付けと認定した前掲東京高判平成12・3・29は、Yによる貸付方法は、一定の金額の範囲内で一定期間Yとの取引を継続することを予定し、しかもその間天引き分名目で高利の金員をYが受領することが出来るように考案された一つの仕組みであるということが出来るなどと認定しており、このような認定の下では一個の貸付けとした判断に誤りがあるとはいえないであろう」と述べており、さらに続けて「要はそのような認定が出来るか否かである(なお貸付の個数にかかわらず、一個の貸付けのように一連の充当計算をする旨の合意が認定出来る場合もあろう)。」とも述べている。

 被告準備書面二、2 「充当すべき債務が存在しない場合の処理について」では判例解説の「本判決は・・・不当利得返還請求になるものと考えられる」とある部分を強調し、被告主張の個別取引計算説を正当化しようとしているが「最高裁第2小法廷平成15年7月18日判決」自体は「充当すべき債務が存在しない場合の処理について」は何も触れてはいない。この問題は、その後今日に至るまで充当指定の意思解釈の問題として解決されて来ている。平成19年6月7日最高裁第一小法廷判決等、被告との事件での多数の判決もそのような立場で判決している。それは、被告準備書面三、1で被告自身が認めている。

3 被告準備書面五「被告の個別取引である旨の積極的主張」への反論

一 原告と被告の取引の経過

 原告と被告の取引は、手形貸付取引約定書(基本契約書)(乙1号証、甲3、4号証)を双方が締結することにより開始された。基本契約書の内容は、大要、証拠(甲3,4号証)に見られるように@元本極度額(金額は契約締結の際に決められる)A契約期間5年(同一条件での5年間継続条項が定められている)B決済方法 手形面記載の満期日に、手形面記載の支払場所で手形決済の方法により元金(手形金額)を一括返済する C利息の利率 貸付の都度双方合意し被告から計算書の交付を受ける D債務不履行の場合の損害金 E借入申込書 手形の差し入れをもって借入れ申込書に代わるものとする というようなもので、極度額や金利と損害金の利率は変動するが、契約の骨子要素はいずれの基本契約書も実質的には同一のものである。

 この基本契約書に基づき原告は 平成6年4月28日から平成20年8月22日までの間、119回に渡り被告より金員を借り受け弁済し、みなし利息の支払いを含め支払った利息はいずれも利息制限法に違反する高金利なものであった。この取引は被告作成の貸付明細書(甲1号証)から明らかである。

 貸付の実行は、原告が、被告作成の貸付明細書(甲1号証)金額欄記載の金額を、手形金額とする約束手形を被告に交付し、被告はこれと引き換えに利息、調査料、取立料、手数料、保証料の合計額を差し引いた金額(貸付明細書の差引支払額欄の金額)を原告の当座預金に振り込んだ。被告はこの手形を決済することで貸し金の返済を受けていたが、被告の従業員は、支払い期日、手形の満期日が近づいて来ると、その手形の満期日を振出日とする手形を新たに振り出させ、上記「差引支払額」を原告の当座預金に振り込んでいた。この手形の切り替えにより原告があらたに被告より借り入れた金員はそのほとんどが返済、従前の手形の不渡りを回避するための資金に使われた。手形の満期日が近づくと被告の日本橋支店の従業員から原告に電話連絡があり、期日を知らされ、被告指定の日に原告が日本橋支店に行き、決済に必要な額面の約束手形を被告に振り出すと、同時に貸付明細書の差引支払額欄の金額が原告の当座預金口座に振り込まれた。(甲5,6,7号証)

 最初の取引、平成6年、4月28日には、(A)7月13日と(B)8月9日を満期日とする各200万円の手形(A)(B)の2枚が交付された。支払われた現金は1856273円と1819282円であった。その一個の手形(A)の満期日である7月13日には、11月16日を満期日とする200万円の手形が被告に交付され原告が得た現金は1782232円であった。その満期日である11月16日には、平成7年7月5日を満期日とする230万円の手形が被告に交付され原告が得た現金は1894035円であった。その満期日である平成7年7月5日には、平成7年11月1日を満期日とする230万円の手形が被告に交付されている。原告に支払われた現金は2063415円である。手形貸付(B)についても全く同様の経緯をたどって行くのであるが、この間にさらに(C)(D)・・・と新規貸付も実行されて、それらの新規貸付も手形貸付(A)と同様な経緯をたどって行くのである。ちなみに(A)手形約1年あまりの間の貸付4回だけで、8600000円の貸し付けについて被告は1004045円の収益を確実に得ていることになる。貸付明細書(甲1号証)を見れば明らかなように間もなく原告は毎週毎日のように被告への手形の決済に追われるようになる。119回という被告との取引は、このようにして生まれた。

 このような手形形式を利用した継続的な金銭消費貸借取引は、事業継続のために不渡りを回避しようとする零細事業者の心理につけこんだ、形式的にはともかく実質的には利息制限法の趣旨を回避する違法な取引であることは明白である。このような状態に追い込まれれば、事業者は、当然本来事業運営に回すべき資金に、収益を回すことが出来なくなり、もっぱら貸金業者である被告への利息と元本の支払いが、その事業の中心となってしまい結局倒産に追い込まれてしまうのである。ある地裁判決では、この被告の取引を、手形制度を利用した高利システム金融であると評するものがあったが、実態を見ればその指摘は正しいと言える。

二 取引の個数

 被告は証拠(甲 6 号証)の示すように、手形の決済を受けた際には「手形・小切手決済のご通知」と題する書面を送付し、そこには「約定年月日」「契約年月日」の欄が設けられ、「約定年月日」欄には基本契約の締結日が、「契約年月日」欄には個別の貸付日が記載されている。又、「決済後の当該残存債務額」「約定に基づく貸付総残高」なる欄も設けられている。本件と全く同類型取引に関する平成20年7月9日不当利得返還請求事件で、福岡高等裁判所は、被告に対し、本件原告が上記のように主張している事実に対して、この手形貸し付け取引は「被控訴人(潟鴻vロ)が、元本極度額の範囲内において一定期間、控訴人(債務者)に対し貸付取引を反復・継続し利息の制限額を超える高利の金員を天引きするなどして取得することが予定されていたものであり、実際に被控訴人は、本件基本契約1及び2に基づいて貸付を反復・継続し、高利の金員を天引きするなどして取得していたものであるから、同一の基本契約に基づく各貸付取引は実質的に一連一体のものと認めるのが相当である」と判決している。原告も本件取引については同様に一連一体のものと評価すべきものと考える。よって被告の個別取引の主張には理由がない。

 とすると発生した過払い金の充当に関しては、平成20年7月9日、福岡高等裁判所判決にあるように、基本契約においては「その中における各取引に基づく借入金債務について制限超過部分を元本に充当し過払い金が発生した場合には、当該過払い金をその後に発生する新たな借入金債務に充当する旨の合意を含んでいる・・」のであるから、返済当時、他に併存する被告への債務がなくても、後に新たに貸し付けられた貸付金の元本に、それ以前に生じていた過払い金を充当することが出来ないという被告の主張にも理由がないということになる。

4 その他被告の主張について

@被告答弁書四 3の利息問題

「平成20年7月9日、福岡高等裁判所判決」にあるように、原告は、当初から基本契約で100万円以上の貸付への極度額が定められている以上「当初から100万円以上の貸付が予定されていたものということが出来るし、同一の基本契約に基づく各取引は実質的に一連一体のものと認められるから、各制限利率は年1割5分として計算すべきもの」(平成20年7月9日、福岡高等裁判所判決)と考える。とすると「被告答弁書四 3」の被告の主張には理由がない。

5 被告準備書面六「予備的主張」について

 被告は、「平成12年9月20日の返済により、取引は完全にいったん終了し、平成17年11月8日に全く新たな審査、与信に基づき取引が開始されている」から取引を一連と見ることが出来ず、取引が終了した時点での過払い金を新たな取引に充当することは出来ないと主張している。

これにつき反論する。

 原告は、@平成6年4月28日基本契約(契約番号11−027117)締結から数えて84回目の借入れを最後に平成12年9月20日の返済により、借入れを中断していたところ3〜4年してから、被告従業員より頻繁に借入れの勧誘を受けた。その結果、原告と被告はあらためて、A平成17年11月8日付けで極度額600万円の「手形取引約定書」(契約番号11−027117)(甲3号証)を締結し、同日、原告は、額面100万円と120479円の小切手二枚(支払期日18年3月20日)(甲6号証の1、2)を、被告に交付した。さらに翌年、平成18年、B極度額を800万円に増額した「手形取引約定書」(契約番号11−027117)(甲4号証)を平成18年11月9日締結し、今日に至っている。平成17年11月8日付けで極度額600万円の「手形取引約定書」に基づく貸付取引は16回、極度額800万円の平成18年11月9日付「手形取引約定書」に基づく貸付取引は19回であった。取引開始(平成6年4月28日)から中断した平成12年6月5日までの取引は84回であった。

このような取引の中断、新たな基本契約の締結について、旧契約と新契約との間の連続性、一体性の存否の判断について、「平成20年7月9日、福岡高等裁判所判決」は取引連続一体性の評価基準を示している。その基準に基づいて本件を見ると以下のとおりとなる。

(1) 第1の基本契約に基づく貸し付け及び弁済が反復継続してなされた期間の長さ及び回数

 平成6年4月28日から平成12年9月20日まで約6年間で84回の借入れがあった。ただし原告が取引していた被告の日本橋支店が閉鎖されるという理由で支店長から呼び出され、80回目の弁済は平成12年7月7日、期日7月17日の額面190万円と額面13万9376円、期日8月11日の額面295万円と額面25万4151円の手形、4件合計524万3527円(実際の返済金額 5178456円 乙4号証)につき期日前弁済を強いられた。平成12年8月1日には期日8月22日の額面150万円と124170円の2件合計162万4170円(実際の返済金額 160万1038円 乙5号証)を期日前弁済、平成12年8月21日には期日9月7日額面265万円と額面226781円の2件合計287万6781円(実際の返済金額 285万3947円 乙6号証)を期日前弁済、平成12年9月20日には、期日10月6日額面250万円と額面168493円の2件合計2668493円(実際の返済金額 2646575円 乙7号証)の期日前弁済を、基本契約期間の継続中に、被告日本橋支店長より求められ、この弁済以来、取引が中断することになった。期日前弁済を強いられた7〜9月の返済総額は手形額面、1241万2971円(実際の返済金額 9633441円)となった。原告はこの返済資金を親戚知人から借り入れることになった。実際に日本橋支店が廃止されたのは平成18年9月15日のことであった(甲9号証)。一方原告作成別添計算書にあるとおり、この取引中断の時点、平成12年9月20日での、原告の被告への超過利息過払い金の合計は1658万1108円であった。

(2) 第1の基本契約に基づく最終の弁済から第2の基本契約に基づく最初の貸し付けまでの期間

 平成12年9月20日から平成17年11月8日までの約5年2ヶ月である。

(3) 第1の基本契約についての契約書の返還の有無および最後の弁済時の状況

 最後の弁済とともに契約書は返還されてきたが、これは弁済が終了すると当然に返還されてくるものであって、特に被告からは、別に基本契約そのものを終了する旨の意思表示はなかった。しかし、既述のとおり原告は、日本橋支店閉鎖という理由を信じて、3ヶ月で手形額面総額1241万2971円(実際の弁済総額 9633441円)という期日前弁済に同意せざるを得なかったが、これに同意し支払ったのは、原告が先々の資金繰りを考えて、被告との取引終了、取引を切られることを恐れていたからであった。そのために親戚知人から1000万円の借入れをしてまで被告の要求に応じ、基本契約による取引の継続を求めていたのである。時はまさにこの頃、被告の強引な貸し剥がしが世間の話題となっていた。

(4) 第1の基本契約に基づく最終の弁済から第2の基本契約が締結されるまでの間における貸主と借主の接触の状況

 中断から3〜4年して被告から借入れ勧誘の電話がかかってくることになった。5年目になると文書を含め勧誘がしきりに行われるようになった(甲8号証)。平成17年になると勧誘はさらに激しくなり、被告は原告に契約担当者を派遣し平成17年11月8日に極度額600万円の第2の基本契約を締結することになった。そして翌年の平成18年11月9日には極度額を800万円に増額する第三の基本契約を締結するに至る。
 被告の営業攻勢は返済実績ある原告との取引を復活させようと急いだからであり、原告は貸し剥がしに見られる被告の身勝手さと高金利の借入れには慎重であった。しかし巨額の国税の滞納もあり他からの借入れもあったので被告の熱心な営業に、借入れを申しこまざるを得なかった。

 以上を見れば、第1の基本契約が合意解除されたものでないのは明らかであるし(第1の基本契約は第13条に基づいてすでに自動更新されていた)、内容を見れば、第1第2第3の基本契約も、極度額等を除いては不動文字による内容もほぼ同じであるうえ、原告の契約番号も、11−027117と共通である。よって、たとえ約5年の取引中断があるとしても、原告被告間の取引は、当事者同一の密接連続した1個の取引と評価すべきである。そして当然に、第1の取引から生じた1658万1108円という巨額な過払い超過利息金は(添付計算書@)、それを、あらたな借入金債務に充当する旨の合意があったと解すべきである。

 被告は「平成12年9月20日の返済により、取引は完全にいったん終了」したというが、期限前弁済を強要されただけで契約を終了するような被告からの解約申し入れなどは全くなかった。また被告は「平成17年11月8日に全く新たな審査、与信に基づき取引が」開始されたというが、この時点で被告には原告に対して、取引中断の時点、平成12年9月20日時点で、合計1658万1108円の超過利息過払い金支払い債務があったのであり、このような重大な事実を事前に審査しないような貸付は正常なものとは言えない。とすると平成17年11月8日に締結した基本契約自体が錯誤による無効とみる余地もある。

 よって被告の「平成12年9月20日の返済により、取引は完全にいったん終了し、平成17年11月8日に全く新たな審査、与信に基づき取引が開始されている。このように丸5年以上取引に空白があり、新たな与信に基づき取引が別途開始されている場合は、取引が一連と見ることは出来ず、取引が終了した時点での過払い金を空白期間を経て始まった取引に充当することは出来ない」という主張には理由がないことになる。

6 公平の観点

 昭和39年11月18日最高裁大法廷判決以来、利息制限法の解釈について最高裁判所が今日まで採用してきたのは、債権者と債務者間の公平という原則であった。充当理論もその原理に立脚した判決の蓄積のうちから形成されて来たものである。
 第1の取引から生じた1658万1108円という巨額な過払い超過利息金が以後の取引において生じた債務に充当されないとすれば、充当計算によった場合には過払い金合計は2317万2206円となるが、その差額659万1098円を損失するばかりか、第2以降の取引で生じた債務残高207万5496円(添付計算書A)を別途被告に支払わなければならないことになる。つまり合計866万6594円の損害をこうむるということになる。
 被告は5年の中断を指摘するが、第1取引の終了時から過払い利息の存在を知りながら弁済時被告にその存在を告知せず、第二の取引の契約時にもそれを告知せず、あらたな貸付金の原資としてそれを運用して多大な利益を上げている。
 第1の取引から生じた1658万1108円という巨額な過払い超過利息金を、年15%の法定金利で単利で貸し付けた場合には年に248万7166円の利息、5年間で1243万5830円の利息収益を上げることが出来るのである(被告は専門の貸金業者であるから未払いの不当利得金を運用して収益をあげるのは容易なことであろう。逆に原告がこの不当利得金を取引き中断時に返還を受けていたならば被告への残債務への弁済はもちろん残額で他の借入金の返済も出来ていたのである)。違法金利に収益を上げさせてはならないだろう。被告の予備的主張を認めれば、この5年間の1243万5830円以上になると思われる違法収益を認めることになってしまう。当然に被告主張の個別契約説も認められない。
 もし認めれば、3の一で述べた「最初の取引、平成6年、4月28日には、(A)7月13日と(B)8月9日を満期日とする各200万円の手形(A)(B)の2枚が交付された。支払われた現金は1856273円と1819282円であった。その一個の手形(A)の満期日である7月13日には、11月16日を満期日とする200万円の手形が被告に交付され原告が得た現金は1782232円であった。その満期日である11月16日には、平成7年7月5日を満期日とする230万円の手形が被告に交付され原告が得た現金は1894035円であった。その満期日である平成7年7月5日には、平成7年11月1日を満期日とする230万円の手形が被告に交付されている。原告に支払われた現金は2063415円である。手形貸付(B)についても全く同様の経緯をたどって行くのであるが、この間にさらに(C)(D)・・・と新規貸付も実行されて、それらの新規貸付も手形貸付(A)と同様な経緯をたどって行くのである。」というような零細事業を倒産にみちびく、異様な高利金融取引を黙認することにもなる。自由市場経済は取引と契約の自由を原理としている。しかしそれは無秩序を意味しない。公平の原理が貫かれなければ自由は無秩序にさらされることになる。自由も法の支配のもとにある。

 なお被告に請求している不当利得金は、巨額な金額に見えるが、そのほとんどは800万を超える国税滞納金や、親戚への残存債務400万円他の返済に直ちに支払われることになる。

                     以上

 
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