緊急レポート 闇金方程式

 
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緊急レポート 闇金方程式(1)  勝瑞 豊
 
 
 
 
2001年秋、全国クレジット・サラ金問題対策協議会、全国クレジット・サラ金被害者連絡協議会の大会が浦和市で開かれ利息制限法に違反する高利金融業者撲滅の決議がなされ、全国キャラバン隊の出陣式には宇都宮弁護士、木村達也弁護士、甲斐道太郎大阪市立大学名誉教授も立ち会って激励の挨拶をされていた。

そのスローガンのもと翌年早々には、闇金刑事告発、整理屋提携弁護士追放、弁護士・司法書士のクレサラ救援広告禁止キャンペーンが実施され、10月には武富士被害対策全国会議も結成された。

その結果、闇金被害取り締まりに対する警察の重い腰もやっと上がり始め、果敢な過払い利息金に対する請求や告発に、さすがの闇金業者にも転廃業するところが出て来たようだ。

整理屋提携弁護士追放に関しては、昨年、桑原弁護士が懲戒を受け弁護士会から追放された。そして、2003年、6月には国会で現行出資法、利息制限法の見直し問題が審議される予定である。このクレサラ対協の攻勢に対し、金融業者側も巻き返しに出始めた。桑原弁護士が懲戒処分を受けたあと、今度はクレサラ対協の幹部、今弁護士が懲戒請求、刑事告発を受けるという事件が起こっている。

司法書士会クレサラ対協の幹部の話によると、告発人の代理人は武富士の顧問弁護士であるそうだ。消費者金融は、アイフルの人気者、チワワのクーちゃんのように今や国民生活に定着した制度となった。サラ金に対する社会世論の度重なる非難にも関わらず、結局、需要と供給という経済原則がその定着をもたらしたのであった。

消費者金融の利害関係人は多い。そこに資金を供給している金融機関から、その広告出稿に依存しているマスコミ、天下った税務署職員、就職難の中、やっと就職できた消費者金融の職員から家族に至るまで利害関係者の層は広く厚い。消費者金融の現在を見ると、加入口座数1000万口、利用者推定1600万人、国民の8人に1人が消費者信用を利用している計算となり、さすがに消費者金融も、需要の天井を打ったようである。

その結果として、業者間競争も厳しくなり、そこに投資先を見出せない銀行系のサラ金が、18%の金利で消費者信用の世界に直接進出して来ている。その結果、業者間競争は更に激化している。今年、6月の国会審議の行方は、そのような人々にとって死活の問題であろう。

クレサラ対協対消費者金融の争いは、簡単に言えば自由主義、資本主義反対派と自由主義、資本主義推進派の消費者、国民をめぐっての争いである。多重債務者救済に携わっている、弁護士や司法書士はクレサラ対協加入の弁護士や司法書士だけではない。そのような弁護士、司法書士であっても、私含めて、70年代、80年代の彼らの活動を高く評価して来たのではなかったか。

しかし、このようになって来ると、クレサラ対協とは一線を画したくなってくる。私は、出資法と利息制限法を同列に論ずるべきではないと思っているし、利息、お金のコスト、リスクの対価も市場の判定にまかせるべきだと考えている。私が、多重債務者や闇金被害者の救済に関わっているのは、あくまでも自由市場を護るためであって、そのような自由市場における失敗、ゆがみを司法的手段で早期に是正しようとしているに過ぎない。

そのような立場とクレサラ対協の法律による市場統制という立場とははっきり異なる。何が正義であり法であるかという考え方も全く違うのだろう。ベニスの商人のポーシャの判決が必ずしも正しいものとは限らない。

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緊急レポート 闇金方程式(2)
 
 
 
 

闇金多重債務モデルケース

生活保護受給者、甲さんは、月手取り15万円でぎりぎりの生活をしていた。たまたま田舎に葬式がありその費用の捻出に困っていた。そこに来た平和リース(A)という貸し金屋のDMを見てお金を借りることにした。

1 甲は1月1日、月利40%、年利480%でAより5万円借りた。
(法定利息 年20% 月利1,66% 月利830円)

2 甲は2月1日、7万円をAに返済(利息2万円、過払い金19170円)

甲は同日、その返済前に返済のためAと同条件でBより7万円を借りていた。

3 甲は3月1日、Bに98000円を返済(利息28000円、過払い金27170円)

甲は同日、その返済前に返済のため同条件でCより98000円を借りていた。

4 甲は4月1日、Cに137200円を返済する(利息39200円、過払い金38370円)

甲は同日、その返済前に返済のため同条件でDより137200円を借りる。

5 甲は5月1日、Dに返済できず逃亡した。

このケースの場合、甲さんの得た実質的な利得は、最初の5万円で、それは葬式代だった。他に甲さんの得た実質的な利益はない。甲さんの逃亡で闇金Dの受けた損害は 137200円である。業者、A、B、Cが得た利益で、法定利息の合計は2490円、過払い利息金の合計は84710円 以上総合計87200円となる。これを甲の利得(葬式代)と合計すると137200円だ。これは、Dの損害額と一致する。

闇金問題は国会の採りあげる問題にまで広がりを見せている。しかし、無法者達の被害者がなぜこの数年で全国的に広がったのか、その解明をするものはいない。

マスコミも弁護士、司法書士もこの問題を、風俗レベル、感情のレベルでのみ論じているように思われる。そこには、やはり法則がある。冒頭掲げたモデルは、その法則を見えやすくするために単純化してあるが、闇金問題の構造は、この単純な方程式で総てが語られていると思う。

つまり、債務者への小さな餌で、限りなく「返済のための借り入れ」運動を、債務者にさせることで、仲間内の金をまわしながら債務者が破綻するまでババ抜きゲームをしているのである。

モデル2 の段階では、実際には、債務者はモデル例と異なって、二社三社から小口の金を借り入れる。それは最初の業者Aの紹介によることが多い。債務の多重化は、業者にとってそれ自体が目的なのである。

このような構造が、債務者が、2ヶ月ほどの間に20社から30社の債務をしょいこむこととなる原因となっている。そして異常な高金利が、その増殖のレバレッジとなっている。

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緊急レポート 闇金方程式(3)
 
 
 
 

さて、闇金問題で第二の論点は、その異常金利による過払い金の問題である。その過払い金を、不法原因給付や不当利得の法理をもって業者から取り戻すのが当然の正義と考えている人達が多い。債務者を代理して個別業者より過払い金返還請求をし、その返還を受けその中から成功報酬を得て債務者から感謝されている弁護士も少なくない。しかし、それには問題がないのか、私は、このことにつきかねてより疑問に思っていた。ここで、もう一度、モデルを見てみよう。

1甲は1月1日、月利40%、年利480%でAより5万円借りた。
(法定利息 年20% 月利1,66% 月利830円)

2甲は2月1日、7万円をAに返済(利息2万円、過払い金19170円)  
甲は同日、その返済前に返済のためAと同条件でBより7万円を借りていた。
3 甲は3月1日、Bに98000円を返済(利息28000円、過払い金27170円)

甲は同日、その返済前に返済のため同条件でCより98000円を借りていた。

4 甲は4月1日、Cに137200円を返済する(利息39200円、過払い金38370円)

甲は同日、その返済前に返済のため同条件でDより137200円を借りる。

5 甲は5月1日、Dに返済できず逃亡した。

甲さんの得た実質的な利得は、最初の5万円で、それは葬式代だった。他に甲さんの得た実質的な利益はない。甲さんの逃亡で闇金Dの受けた損害は 137200円である。業者、A、B、Cが得た利益で、法定利息の合計は2490円、過払い利息金の合計は84710円 以上総合計87200円となる。これを甲の利得と合計すると137200円で、これは、Dの損害額と一致する。

Dからの返還請求を甲が不法原因給付を理由にその返還請求を拒んだとしても、甲A間、甲B間、甲C間の契約を無効として、不当利得として5万円、7万円、9万8千円を「甲」が請求出来るのだろうか。

もし出来れば、甲は最初に得た利得5万円のほかにDの犠牲において21万8千円を得ることが出来ることになる。過払い利息だけを利息制限法違反の不当利得として返還請求した場合でも、甲は、最初の5万円に加え、Aの得た19170円、Bの得た27170円、Cの得た38370円の合計84710円をDの犠牲において得ることになる。


これはおかしいではないか。甲が得た業者A,B,Cから得た金銭、それこそが不当利得なのではないか。

以上一連の取引きにおいて実質的に得られた利益は葬式代だけで、金銭は甲、A、B、C、D外には流れ出ていない。名目上の移転が行われているだけだ。ところが、この返還請求に弁護士、裁判所が関与した場合には、報酬、国家の手数料(印紙代)が、甲、A、B、C、D外に出て行くことになる。

哀れなジョーカーDは、葬式代を払い、A、B、Cは、甲がその費用を返還請求で得た金銭の中から払ったとすれば、弁護士の成功報酬、国家の手数料を払うことになる。結局、A、B、CはDに求償出来ないので、返還金を外部から調達して来ざるを得なくなり、甲と弁護士、裁判所は、その金を分け合うことになる。

甲、A、B、C、D間の137200円の経済はA、B、Cが外部より調達した返還金が加えられ経済成長することになる。その成長分で弁護士は報酬を得、国は税金を得ることになる。で、目出度し目出度しというわけには行かないだろう。

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緊急レポート 闇金方程式(4)
 
 
 
 

実際の状況は、モデルに示したよりも複雑で、通常3万から5万円を貸し付ける闇金業者が20社以上というのが少なくない。この場合、Dのようにババを引く業者は4〜5件となる。このような業者には適切に対処しないと業者からの債務者への報復がありうる。

弁護士の関与した闇金債務整理事件で、住所、代表の特定出来ない闇金業者、いわゆる090金融を残してしまうことがままあり、2〜3ヵ月後に脅迫的催告が復活してしまうことがある。闇金整理では090含め一軒ももらさず何らかの解決をしなければならない。

過払い金については、モデルに示した通りであるが、50万円、100万円と、債務者の親族などが返済の援助をしている場合がある。このような場合には実質的に債務者に返還請求権がある場合もある。しかし、闇金業者は返済余力の無い債務者にあえて貸し付けている場合が多い。従って、モデルケースのような場合も多いのである。

法律の形式面に着眼してそれを単に実行すればモデルケースのような妥当でない結論を導き出すことになる。モデルケースで示した「借りて返す」を原因とする多重債務問題は、大手業者間との複数取り引きにも共通する。過払い利息の真の負担者は必ずしも多重債務者その人であるとは限らないのである。

もっともそのような構造を作り上げたのは消費者金融業者なのだからその結果責任は負うべきであろう。ただ、多重債務者の被害者性を一面的に強調するのも誤りだ。

クレサラ対協内部では、金融業者の登録要件を宅建業者並に厳しくするという意見も有力らしいが、これは完全に誤りである。要件を厳しくすれば、闇金融が更に増大するのは目に見えている。街金の闇金化も心配される。違法短期業者でも6割くらいは登録しているおかげで、債権者を特定できる結果、司法的解決がどれほど容易になっているかを考えるべきである。

都(1)業者というが、都(1)でもほとんど無登録であった4年前に比べれば違法業者の特定が格段にやりやすくなった。この都(1)業者が、法規制を逃れるために090に変わりつつあることを見れば、登録要件厳格化の危険が分かるはずだ。

 消費者金融業者は、クーちゃんを看板に人気拡大を図るだけでなく、本来、消費者金融というものはかっての質屋に代わる短期金融で、長期に借り入れれば危険であると言うことを消費者にPRすべきである。

又、信用情報の適切な運用も必要だろう。そうしても、経済生活の失敗は不可避であるから、債務者に返済余力のある早い段階で特定調停により債務整理をするよう業者から債務者に勧めるべきではないか。特定調停制度のおかげで、消費者は弁護士を頼まず債務整理をすることが出来るようになった。

クレサラの「何でも自己破産」よりはるかに消費者にも業者にとっても利益がある。業者の協力さえ得られれば、債務者個人でも十分、特定調停制度を利用して債務整理が出来、生活再建も出来る。調停成立後の債務者の立ち直りで一括弁済も期待出来るだろう。債務者個人が特定調停による債務整理をすれば、東京では債権者一社、710円しかかからないのである。

クーちゃんも、初めてのプロミスも良いが、個人の債務整理についてダンスを踊っているひまがあるのなら、その手続きやメリットにつき社員教育を是非して頂きたいと思う。

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緊急レポート 闇金方程式(5)
 
 
 
 

3月7日、長崎から多重債務者救援を目的とするNPO、ライフサポート「陽だまりの会」という団体の理事長がわざわざ私の事務所にやって来た。刊行中の宝島社文庫「ヤミ金融の手口」の奥書を見て私の事務所を知ったのだという。相談は、闇金の被害者、Aさんが逃亡してしまい、そのあおりを食って闇金が、家族、親戚、それぞれの勤め先に、催告の電話を頻繁にかけてきてどうしようもならなくなった。何とか出来ないものかというものであった。

Aさんは主婦だった3年前、自己破産している。その後、離婚し、生活費に困って闇金のDMを見て生活資金を借り入れた。その後はお決まりのコースをたどり、家族、親戚が資金を出し合い闇金に弁済することにし、長崎県浦上警察署の警察官に東京の闇金に電話してもらい、警官立会いのもと闇金に200万円を弁済したということだ。

何故、警察かと思われる方もいるだろう。当然にAさんとその家族は、警察に相談する前に、弁護士にも電話しどこからも断られ、さらに地元被害者の会「あじさいの会」にも電話したところ、相談は週に2回で予約が必要という返事、簡易裁判所にも行ったが無理でしょうねと門前払い、それで、仕方なく警察に行ったのだ。

弁済後、Aさんは再び闇金から金を借りた。それが、今回の逃亡の原因となった。今度は警察もとりあってくれない。困ったのは家族親戚である。子供10人という大家族で、成人した子供達はそれぞれ自立、働いている。その職場に脅迫的催告の電話が絶え間なくかかって来て、今や勤め先にもいづらい状態となっている。

田舎のことであり、住居を移転することも容易でなく、一度辞めれば新しい職場も簡単には見つからない。地方都市のこの特性に着眼して違法金融を展開し始めたのが最近の闇金である。彼らの本店は総て東京にある。さて、このような事態の解決は?アメリカ映画のように、家族団結、悪と戦い、市民がその応援に立ち上がるという案を勧めれば、責任の無い正義の観客は良いだろうが家族は潰れて、ちりじりばらばらということになる。

さて、ここで私が指摘したい論点は二つある。闇金問題は、最早、通常の貸し金トラブルとは別の国家社会経済の秩序維持に直接抵触する犯罪事件であるということである。


民事的に解決することには限界があるということだ。実際、過払い金も不法原因給付とか不当利得とか私法の論理を持ち出したところで、それを理由に返還請求しても彼らは裁判所に来ないではないか。警察が貸し金業法違反、出資法違反として捜査、逮捕し違法な貸し金は没収するしかない。

困り果てたAさん家族は、警察に紹介されて、NPO「陽だまりの会」に相談に行ったのだという。これが第二の論点である。最近は、クレサラ対協や被害者の会、民商、それ以外にも、各地にこのようなNPOや団体が結成されつつある。このような動きに対し、クレサラ対協の司法書士や活動家は、整理屋提携弁護士問題と同一視し、白眼視する傾向がある。

又、その広告にも抑圧的である。上記のような地方における実情を見れば、対協の方針は明らかに間違っている。むしろ、彼らがサービスの独占提供を目的としているのでなければ、そのような市民団体とも連帯してクレサラ問題に対処して行くべきだろう。

むしろ、クレサラ問題の先輩として、そのような団体活動を援助して行く立場にあるのではないか。

 
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