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「勝瑞豊の縦横無尽」

 
                                                
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法律新聞連載 「勝瑞豊の縦横無尽」

 
 
 
 

日本弁護士連合会、21世紀の行方?
16 米フロリダ州の便乗値上げ禁止法から日本の債務整理ハゲタカ市場を考える

 
 

 これからの「正義」の話しをしよう。

 政治哲学者マイケル・サンデル教授の著書(早川書房)の題名が「これからの『正義』の話しをしよう」というものだ。毎週木曜日、午後5時から、私は、事務所の職員を集めて、DVDに録画した同じテーマのサンデル教授のハーバード大学での講義を勉強している。全12回で、前回は8回目だった。「法的専門知識の中身については、弁護士は、仕事で使うかどうかは別として、憲法、刑法、訴訟法の体系的基礎を学び(これが弁護士資格の基礎となっているが)」一方、隣接士業においては「これら基礎法律科目の体系的な理解は資格を得る前提とはなっていない」( 自由と正義 2009年11月号98P 弁護士 井出直樹 )。これは、司法書士においても事実であり、司法書士が、法律家と自称するには、その法を支える正義に関しての教養の欠落が、致命的弱点とさえなっている。

 そこで、私は、司法書士資格者、受験生を相手に実務とは何の関係もなさそうに見えるサンデル教授の政治哲学の講義を勉強することにしたのである。アリストテレス、ジョンロック、ベンサム、カント、ローレル・・日本のロースクールでも法及び法秩序の根拠そのものである「正義」について、「憲法、刑法、訴訟法の体系的基礎」の大基礎である正義について、当然に教育しているのであろうが、その成果はまだ表れていないようだ。そのマイケル・サンデル教授が著書「これからの『正義』の話しをしよう」の冒頭で、2004年夏、フロリダを猛烈な勢いで横切ったハリケーン、チャーリーが惹き起こした激烈な便乗値上げのことについても述べていた。チャーリーのおかげで住民は、電気が止まって冷蔵庫もエアコンも使えないので、「一袋2ドルの氷が10ドルで売られていた。木々が倒されたせいで、・・屋根修理の需要が増加した。家の屋根から2本の木を取り除くだけで、業者は何と2万3千ドルを要求した。・・多くのフロリダ住民が物価の高騰に憤りを隠さなかった。『USAトゥデイ』紙には「嵐の後でハゲタカがやってきたという見出しが躍った・・『他人の苦境や不幸を儲けの種にしようとする』連中は間違っていると語った」( これからの『正義』の話しをしよう」9P 早川書房 )。

 さて、お前はどんな正義の話をしようというわけ?という詰問が当然に予想されるが、過払いバブルにおけるあまり品が良いとは言えないわが国の弁護士、司法書士の現状と正義について、サンデル教授の知的かつ上品な講義を援用しつつもう少し話がしたい。この便乗値上げについては、住民の避難に加え、フロリダ州にあった「便乗値上げ禁止法」が法廷で適用され、暴利業者には、莫大な懲罰賠償金が課せられた(勝った弁護士は当然に高額の成功報酬金を稼いだ。原状回復主義の日本では訴えれば大体損をする)。

 しかし、これに対して経済学者の中には、「その法律や一般市民の怒りは見当違い」と論じる者も少なくなかった。「中世の哲学者や神学者は、商品の取引は伝統や商品本来の価値で決まる『公正な価格』をもとに行われるべきだと考えていた」( M・サンデル 前掲書10P )。原価プラス適正利潤の独占価格というのが日本人にしみついた常識だが「商品本来の価値で決まる『公正な価格』」というのに似ている。サンデル教授は、便乗値上げ禁止法に反対した評論家ジェフ・ジャコビーの「市場でつく価格を請求することは暴利行為ではない。強欲でも恥知らずでもない。それは自由な社会で財やサービスが分配される仕組みなのだ・・一見法外な価格も、必要な商品の増産を促すインセンティブを生産者に与えることによって、『害よりもはるかに多くの益をもたらす』・・売り手を悪者扱いしてもフロリダの復興が早まることはない。売り手には思う存分商売をさせてやることだ」との意見を紹介している。当然これに対する反論があり便乗値上げ禁止法も適用された。しかしこの自由市場主義者ジャコビー氏でも、弁護士法72条という規制のもとで繰り広げられている債務整理ハゲタカ市場についてはどう思われるのであろうか。フロリダの便乗値上げ問題は、あくまで規制の無い自由な小売市場での話しである。



 
 
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