コンテンツ

過払い金請求で弁護士、司法書士は儲けすぎか?

さて、3月30日のサンデープロジェクトでのクレサラ過払い金4000億円についての議論の後半では、弁護士報酬について議論が白熱した。

レギュラーコメンテイターのエコノミスト 吉崎達彦氏は、法学部の議論は経済学部の常識から見ると理解できない観念的議論が多い、何で多重債務者救済のための方法が利息制限法しかないのか、他に救済方法がいろいろ考えられるのではないか。

市場取引を規制すれば金融収縮が起こり、貸し金需要がある以上アングラ経済が広がるばかりということにならないか。私は日本の今の司法に強い疑問を感じている。横領で逮捕される検事はいるし変な判決はあるし、変な弁護士も一杯いる。こんなことを見るとどうもこの過払い金返還請求は、実は弁護士を儲けさせるだけのものではないかという手厳しい意見を述べていた。

これに対し木村弁護士は、このような事件の処理は大変手間ひまかかるもので、これで儲かるっていうものではありませんと反論。儲けている弁護士もいるが先生達はそうではないということですかと田原氏。いやいやそんなことはない、とにかく皆さんには借金においこまれた多重債務者の現実をもう少し細かく見てもらいたいと木村弁護士。今日に至るには最高裁判決を勝ち取るためにどれくらい私達が苦労して来たか、分かって欲しいと新里弁護士は法廷での苦労を強調したが、結局、弁護士とエコノミスト、この両者の意見はかみ合わないまま番組は終了した。

番組に出席したのは「クレサラ対協」に属する弁護士であったがこれは偶然ではない。この日の番組自体が2月3日のサンデープロジェクトにおける出席者竹中平蔵、木村剛、田原総一郎氏あての「全国クレジット・サラ金問題対策協議会」の抗議文に端を発しているからだ。

「クレサラ対協」が金融独占資本主義反対の「正義派」とするなら、私などは業界では評判の悪いビジネス派ということになるのであろうが、「正義派」の人達は、業者間競争や、報酬に関することになるとどうも歯切れが悪い。

「クレサラ対協」幹部の宇都宮健二弁護士が最近「自己破産と借金整理法」の全訂新版を自由国民社から出版されているが、その末尾に東京3弁護士会の債務整理等に関する標準報酬規定が掲載されている。「クレサラ対協」の木村さん達は、このような表をもとに、具体的に、弁護士の提供する標準サービス価格を国民に示すべきであったと言えるし、一方では、現実のクレサラ市場はエコノミストの先生方が想像している以上にニューエコノミー化が進展している。このような現状も説明するべきだった。

東京三会のこの標準報酬は弁護士や司法書士の一応の目安とはなっているが、価格競争に積極的な事務所の料金は、大体この標準料金より安い価格設定となっており、そのような事務所がどんどん大きくなって、いわゆる儲かる事務所となっている。

私はこの国民の利益に直結する価格問題についてはいずれ問題となると思っていたから、我々のような法律事務サービス料金の正当な価格とは一体何かということについては5年以上前から私なりの価格理論を、法律新聞紙上で論じていた。

しかし、この弁護士会3会の標準料金ですら、その根拠は何かと問われれば「正義派」の人達には答えられないのではなかろうか。グーグルで債務整理費用を検索してみると最初のページの6番目に「多重債務ラボ 任意整理費用は高すぎるのでは?」というサイトが掲示されている。

その中に「任意整理で儲けるってどういう気分ですか」という皮肉たっぷりの批判的コメントが掲載されていた。実際は、厳しい競争の中で、儲ける、すなわち多数の依頼人から支持を受けるためには、優秀で想像力に満ちコミュニケーション力のある、しかも心の優しくふところ深い事務職員を多数維持して行かなくてはならないから、経営は一般の中小企業に比べ想像以上に難しいものなのであるが。