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5  消滅時効とは

   5 消滅時効とは

 

消滅時効とは、民法167条「債権は、10年間行使しないときは、消滅する。」と規定されている権利の消滅のことです。権利があるのに行使せず、権利の上に眠るものは国は保護しないという規定です。

 

過払い金請求権は、不当利得返還請求権として民事上の一般債権であるので、民法167条により10年で請求権は消滅します。

 

ただカードローン取引の様に連続した取引である場合には、消滅時効10年の起算点が問題となります。

 

この起算点については最高裁の判決が「過払い金充当合意を含む基本契約に基づく継続的な金銭消費貸借取引においては、同取引により発生した過払い金請求権の消滅時効は、・・特段の事情が無い限り、同取引が終了した時点から進行する」と判示しています。

 

カードローンは継続的連続した取引なので、最終の取引が一体いつなのか特定することが結構難しいのです。裁判官の解釈によって決まるときも少なくありません。

 

例えば、平成10年から16年の取引①があって、4年間取引の中段があり

平成20年から平成26年まで取引②があり、3年後の平成29年に過払い金の返還請求をした場合、

取引①と取引②とを通算すると250万円の過払い金となった。

 

そこで、それを請求すると、その通算が認められず、その結果、取引①と取引②は別個に計算することになり、その結果は、取引①では過払い金が70万円、取引②では80万円となったが、

 

取引①の70万円の請求権は、その取引の最終が、平成16年だったので、10年の消滅時効の援用により消滅し、結局取引②の80万円の過払い金が返還されただけというような事があります。

 

それも珍しいことではありません。取引①と取引②が連続しているか、中断し、別個の契約と評価されるか、裁判上では良く争われる事案でもあるのです。

 

このように、同一貸金業者との取引で、2~3年間の取引の中段があると、2個の契約があったと評価され、前半の過払い金が消滅し、後半の取引は法定金利内という事で残債務が大きく残ってしまうようなこともあります。

 

このことは、債務整理や過払い金返還請求を資格者に委任する前に、まず、取引履歴を事前に取り寄せ、再計算すれば、

時効消滅が認められた場合の不利な結果と、取引の連続が認められた場合の有利な結果とを、あらかじめその計算結果を見て、見通しをつけることが出来たということを意味します。

 

事前に取引履歴を取り寄せ、利息制限法に引きなおし計算をすることが、上記例を見てもどんなに重要なことかという事が良く分かると思います。