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6 正しかったブラックになるという心配

6 正しかったブラックになるという心配

 

多重債務者が過払い金返還請求権の行使をためらう最大の問題は、ブラックにならないかという心配です。

 

ネットなどで資格者のサイトを見れば、過払い金請求は権利の行使であるからブラックとはならないと書いているものが多いようですが、これは間違いです。

 

過払い金があろうがなかろうが、弁護士や司法書士の債務整理の委任状が業者に届けば、その時点で法律的に(法21-9)催告も貸付けも停止されその債務整理開始の通知は直ちに改正貸金業法で新設された「指定信用情報機関」に通知され、その事実は登録金融業者に公開されます。

 

この業者間情報の共有で、金融庁がどのような効果を狙っているかと言えば、200万人と言われた大量の多重債務者問題を解決するために過剰貸し付けを抑制するところにありました。何故なら、大量の消費者自己破産を生み出したのが、カードローン利用者の多重債務化、返すために多数会社から複数借り入れをする消費者の増大にあったからです。

 

ブラックとは業者間での金融取引リストに載るということの俗称ですが、この債務者の支払い能力登録規制は、貸金業法が改正されて以後、かえって強化されたのです。

 

信用情報機関の運用を業者任せにすると、ブラック情報を見て困窮した債務者の、逼迫した資金需要に目をつけ、更に追い貸しをする悪徳業者が絶えなかったこのために貸金業法改正では「指定信用情報機関」という仕組みが作られましたが、この指定をだれがするかと言えば「内閣総理大臣」です。

 

俗にいうブラックという債務者の支払い能力、支払い状況などの個別債務者情報は改正貸金業法以前に比べ内容も時間的経過も詳細に「指定信用情報機関」に報告されていますから、改正後は、改正前より業者に対する事故情報の報告公開義務はもっと厳しくなったという事です。従って、債務整理(過払金返還請求含む)の委任状が、弁護士、司法書士から業者に届けば、業者は直ちにそれを事故扱いとし、「指定信用情報機関」に報告します。つまりブラックに必ずなるのです。債務者の危惧はまさに正しかったという事でしょう。

 

これでは債務者、カードローン利用者は相当の覚悟、リスクショッピングカードもETCもインターネットも自動車ローンも住宅ローンも出来なくなるということを覚悟せざるを得ません。

 

TVCM等による大量宣伝にも関わらず、弁護士や司法書士に債務整理を委任するには相当の覚悟が必要だという事になります。

 

 以上のような事情があり、全国では今でも多数の債務者たちがブラックとなることを恐れて、払わなくても良い金銭を毎月払い続けています。この実態はマスコミにも分かっていませんし、返還請求権者が、どれほどの数になるのか、規模がどれほどのものになっているのか、消費者金融業者以外には誰にもわからないのです。ブラックになることをおそれて、返還請求を控え、返済し続けている隠れた潜在的不当利得返還請求権者が、どれほどの数になるのか、消費者金融業者以外には誰にもわからないのです。