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2 日本司法書士会連合会の「債務整理処理指針」が指示すること

2 日本司法書士会連合会の

「債務整理処理指針」が指示すること

 

前記手引書では、「弁護士・司法書士に相談する際には、過払い金の見込まれるような取引の長い貸金業者だけでなく、必ずすべての借金の内容について(債務者は)話すようにしてください。・・・全部の借金の整理も含めて依頼することを強くお勧めします」とあり、その半面で「破産、民事再生の申し立て、弁護士・司法書士による債務整理の開始、返済の延滞、保証債務の履行請求」があれば、信用情報、いわゆるブラックリストに載り(貸金業法41条35-1 施行規則30-13-2-2)カード会社からの借入もその他のローンも出来なくなるということも述べています。

 

続けて、しかし、債務整理にはこのようなリスクがあるけれども債務整理の開始情報が登録されたことで生じる不利益は、せいぜい『お金が借りられなくなる』ということくらいです。・・借り手の方々は、これまで消費者金融の返済に長年苦労されてきた人でしょう。借金ができなくなるということは、むしろ歓迎すべきことではないでしょうか。債務整理の開始情報が登録されることなど気にとめることなく、堂々と過払い金返還請求をすることが賢明な選択と言うべきでしょう」(「過払金返還請求の手引き」31ページ)と述べています。(ガイド31P)。

 

又、日本司法書士会連合会が、平成22年1月29日に全国の単位司法書士会会長あてに日本司法書士会連合会 細田 長司会長が発した「債務整理事件の処理に関する指針」の補足説明の送付について(お願い)という文書に添付された指針とその解説には「不利益の説明」という条項があり、その条項 第9には「債務整理事件の依頼を受けるにあたっては、依頼者に対し、次に掲げるものの他、不利益が発生する可能性がある事項を説明するものとする。(1)信用情報機関に事故登録される可能性があること (2)破産の場合には資格制限があること (3)不動産の所有権を失う可能性があること (4)自動車等の所有権が留保されている物件の占有を失う可能性があること」と規定して、債務整理にともなうリスクを事前に説明せよとしています

 

第11では「債務整理事件を処理するにあたっては、合理的な理由がないにもかかわらず、依頼者の他の債務の有無を聴取しないで、又は依頼者に他の債務があることを知りながら、過払い金返還請求事件のみを処理するなどしてはならない」としている。

 

全10条となるこの指針は、改正貸金業法19条の2において、債務者は何時でも、自己の取引に係る情報を債権者に請求することが出来ること、すなわち債務者国民の債務整理に先立ってできる債務者の情報受領請求権については、全く、条文においても、その解説においても触れていないのです。

 

そうすると今日においても、全国の司法書士はこの10か条の指針と解説に基づいて、事前に債務を客観的に調査せず債務者のおぼろげな記憶を頼りに行き当たりばったりの債務整理を実行して、その結果、依頼人の債務が、事故案件(債務不履行案件)として信用情報機関に登録されている可能性やリスクが高いままに、債務整理を実行しているということを意味していることになります。

 

改正貸金業法の完全施行日が2010年(平成22年)6月18日。それから10年近く経ち、改正貸金業法施行の結果、今日では、5社以上からの返済に苦しむ多重債務者はほとんどいなくなりました。

 

今では一人の債務者につきA社法定利率内、B社消滅時効、C社法定利率内、D社42198円の過払金というようなケースが多いのです。

 

もし、日司連の処理方針、あるいは先述の手引書の指示通りに、A社、B社、C社、D社についての債務整理を弁護士、司法書士に委任すれば、催告はすぐにストップされますが、同時に貸し付けも停止され、信用情報機関に登録されて、その時からVISAもMASTERもインターネットもETCも使えなくなることになります。A社、B社、C社、D社はともかく、他の金融機関との金融取引も5年から7年の間取引が出来なくなるのです。キャッシュレス時代に、手引書が言うように「せいぜい『お金が借りられなくなる』ということくらい」で済む話では決してありません。