コンテンツ

特定調停って何よ

一度自己破産を経験し、再び借金地獄に落ちた人達の経過を検討してみると、借金に対する警戒心が弱いということの他に、どこかしら、何とかなるといった考え方が見えて来ます。

安易な専門家に依存しての自己破産による救済は、ヤミ金被害者を作り出すばかりではなく(二度目の自己破産は7年しないと出来ないので、そのような人に貸してくれるのはヤミ金さんしかないのです)、自己努力による消費行動の変革や、計画的な再建、自己制御力の強化、こうした自己変革にはほとんど役に立ちません。

特定調停にしろ、個人再生にしろ、3年を目安に弁済努力をする。それを粘り強くして行くうちに、返済のためには無駄な支出は抑えなければならないし、贅沢も出来ませんから、自然に合理的な経済行動が身について、弁済を終えた3年後には、今度は弁済ではなくその弁済額を貯金という自己資産の形成に振り向けることが出来るようになるはずです。

特定調停は、ご自分ですれば1社710円(東京)で出来る債務者生活再建のための債務整理手続きです。

これまでの当事者である債務者を立ち合わせず、密室で行われる債務整理には、とかく不祥事が付き物でした。しかし、裁判所の丸テーブルで行われる債務整理ではそのような不祥事の心配は全くないのです

慎ましい無借金弁済の生活を3年やってみる。これの副産物は大きいです。任意整理でも全く同じことが言えます。

整理と申立を決断するまでのおよそ二年ほどの間、借金の返済と資金繰りしか頭になかった生活からやっと解放される。その申立により、3~4ヶ月の協定書が作成されるまでの間、借金の返済をしなくて済むようになります。

それを良いことに、解放感からキャバクラなんか行っちゃ駄目ですよ。パチンコもだめ、ブランドもだめ、それより、百円ショップを見つける、リサイクル店に行く、スーパーには遅く行って割引品を買う、このように生活のスタイルを変えることが重要です。そしてこの解放期間を活用して、これからの3年間の生活設計をたててみることです。そうして家計簿をつける・・と言ったってノートかメモ帳に一体何にお金を使っているのか記録してみることです。そうすれば必ず無駄を見つけることが出来るはず。その結果を見て一ヶ月の消費生活の基準を作ってみましょう。

裁判所の一回目のミーテイングでは調停委員が、債権者と交渉するための方針を定めるために、あなたから、多重債務化した事情と現在の生活の状況についてを詳しく聞ます。その時に、貴方なりの返済プランと生活建て直し方針を話せば、調停委員の協力を多く得られることになるでしょう。一回目のミーテイングは貴方のためのミーテイングです。

特定調停であなたが申立すれば、債権者にその通知をすれば、あなたへの取立ては禁止となります。しかし、たまに、受任通知を認定司法書士に出させて、あるいは申立てだけをして、業者請求をとめるだけとめて、消えてしまう人がいます。実に残念です。特定調停も、任意整理も、個人再生も、自己破産も、債権者から逃げるための手段ではないのです。債務を整理又は清算して、あくまで多重債務に陥った方たちの生活を正常にもどす、そのためにあるのです。


特定調停という債務整理の特徴は何といっても本人申し立てが出来るようにするための、その手続きの柔軟さにあります。
又、最近では大手の消費者金融、クレジット会社の多くは手続きに協力してくれています。特定調停は少なくとも元本は返済するので協力は得やすいのです。

申立前の事前の債権調査が重要です。消費者金融業者からあなたとの取引履歴と計算書を取寄せ、利息制限法に引き直して再計算すれば中には過払いとなっている債務があったりして弁済により特定調停の申し立てなど必要なくなってしまうこともあります。


申立時に最小限必要なものは申立書と印紙代です。

他に必要なものは、源泉徴収票又は課税証明書、2か月分の給与明細書、納税申告書の写しなど貴方の所得を証明できるものと住民票、二か月分の家計収支一覧表の三つで、これは、第一回の面接の時までに裁判所に届ければ良いです。債権についての契約書や請求書の写しもあるだけでよいですから用意してください。

そして、あくまで債権者との協議の過程で必要であればその都度文書や資料を提出して行くのです。また、裁判所からも必要な書類があれば指示があります。

予定の期日に病気などで出られないときには担当書記官に連絡してください。あとで診断書を出せば期日の変更を認めてくれます。

個人再生や自己破産は元本をカットし債権者に損害を与えるものですから、手続きは厳格です。でも特定調停は貴方の立ち直りに主眼が置かれていますから、出来るだけ無理の無いように手続きを進めて行けるようになっているのです。

最後に注意することがあります。

1 特定調停の申し立てでも、認定司法書士や弁護士による任意整理でも、介入通知をすれば取り立ては止まりますが債権は事故扱いとなり他の業者からも借り入れは出来なくなります。また念のため給与振込先となっている預金口座は一度閉鎖して、新規に給与の振込先預金口座を申立前に作っておいてください。


2 特定調停手続きを利用できるのは、特定調停法の一条にあるように支払いの続行が現状では困難な人達に限られます。単に利息制限法引きなおしによる債務減額のためには使えず、別の手続きによらねばなりません。