詳細解説 不当利得返還請求手続き

3 結果報告後の対応

  第3 結果報告後の対応

 「残高調査再計算業務」の結果、正確な残高が判明すると、依頼人の方にその結果を報告します。

その後、債務をどう処理するのかしないのか、その結果に応じて、その選択手段につき司法書士が相談に応じます。その結果、不当利得返還請求権が生じていれば、不当利得返還の請求手続きを、その手続き自体を依頼人が、当事務所に委任するかどうかについても、どの債務について、当事務所にお任せいただけるかどうかも含め相談に応じています。

その結果、依頼人から、債務の整理、不当利得の返還請求、訴訟又は本人訴訟を依頼されれば、その段階で、初めて債務整理処理の方針を依頼人と共に決定するのです。

不当利得返還請求事件であれば、140万円超の請求であれば、本人訴訟であることにつき説明し、書面作成援助と本人出廷について、本人が選択し、その同意を得られれば、訴状の内容を本人に確認後、直ちに管轄地裁に向け、訴状及び証拠を送付、申し立てをします。


140万以下の請求であれば訴訟代理人として受任し、その後に、消費者金融業者に、書類作成又は代理を受任した旨、通知します。(参考次ページ 本人訴訟手続き事務分配図 法廷配置図)

 

残高確認の段階では、大半は不当利得返還請求事件となり、その回収した返還金を、必要な範囲で、他の残債務に弁済充当することになりますが、その結果として、あったとしても総額としての債務残高は相当に小さくなり、しかも現行では金利はどこの業者も利息制限法に従って安くなったので、債務者は、利息制限法に減額の上、その残金を、通常金利での支払いで約定通りに返済し、その業者と、今まで通り、継続してカード取引をすることも良くあることです。

 

加えて言えば、当事務所が、残高無料確認サービスと債務処理方針の決定の相談を開始して以来、依頼人の債務が、事故案件になったり信用情報機関に登録されるようになったりしたことは、改正貸金業法施行後9年に至る今日まで、ほとんどありません。

 

複数債務の債務処理については、依頼をうければ、各担当補助者からの報告及び資料を受けて、司法書士が、まず(1)不当利得金を返還請求できるもの、(2)約定残額を減額できるもの、(3) 法定利息による取引であるもの、(4)過払い請求権が時効消滅しているもの、の4種に分けます。
そして基本的には、調査後判明した、まず確定した不当利得金返還請求権を実行し、回収をはかります。その回収をしてから、それを返済原資として、利息制限法に引きなおしても残債務が残る債務については、その返済に充当し、返済負担を減じるか、全額弁済をします。個々の債務についての着手のタイミングは、依頼人の方の返済の都合を見ながら、それぞれの債務につき、過払い金を請求、回収し、減額請求し、弁済もして行くのです。

 

しかし、それでも、自己の収入では、返済が困難であるとの見通しとなった時、あるいは判明したときには、それは、自己破産、個人民事再生手続きを選択せざるを得なくなったことを意味します。その場合に、初めて、自己破産、個人民事再生の手続きを検討することになります。

 

当事務所で実行している事務は、主に司法書士法3条に規定されている認定司法書士資格による訴訟を含めた140万円以内の不当利得返還請求事件の代理、140万円超の事件についての不当利得返還請求事件の代書の二種類であり、通常民事の不当利得返還請求事務を専門に行っています。

従って、基本的には、債務不履行を伴う裁判外での債務整理事務、いわゆる任意整理、裁判外での分割弁済等は行っていません。数は多くありませんが、分割弁済協定についても特定調停など裁判所で行います。

140万円以内の不当利得返還請求事件の訴訟代理の場合には、和解に代わる17条決定をとるなど出来るだけ公開の法廷での手続きによるようにしています。業者と資格者の密約を防ぐためです。

 

債務整理(業界用語で法律用語ではない)については、東京司法書士会が以下の様に定義しています。

東京司法書士会は「東京司法書士会多重債務処理事件に関する規範規則 第2条 定義」において「多重債務処理事件」(以下「事件」という。)とは、会員が、金融業者に対して多重に債務を負担する者(以下「多重債務者」という。)から受任する任意整理事件、破算申立事件、民事再生申立事件、特定調停申立事件、これらに類する事件をいう」と定義しています。「これらに類する事件」とは、任意整理事件以下の事件が、いずれも債務不履行を手段とするものであるから、そのような分割和解、支払い猶予等々、このような事件を意味するのでしょう。

 


これに対し、いわゆる過払金返還請求事件、すなわち不当利得返還請求事件とは債務者の法的権利の主張請求であって、上記定義のような債務不履行を前提とする債務整理事件とは根本的に異なるものなのです。

又、原告が実行している、「取引履歴の取り寄せという事実行為や利息制限法による再計算業務」などは、本来企業やNPO組織の会計事務担当者が行っても何ら不思議もない、社会的に正当な業務であり、すでに述べた様に、刑罰法規である弁護士法72条に違反することにすらならないものであり、そのことは金融庁のパブリックコメントの回答でも明らかにされています。

 

   日本司法書士会連合会への提言

 当事務所の方針と、日司連、司法書士会の債務処理方針とのどちらが合理的であり、国民にとって利益であり、適法であり、正義であるのか、 これを判定するのは、結局、利用者国民である。全国の司法書士を指導して来た日本司法書士会連合会は、国民にたいし、これまでの誤った方針につき釈明する必要があるのではないか。誤解では済まない。何故なら、その誤った方針により、ならなくても良いのにブラックになって信用取引をストップされたり、されていたり、損害を被った人、依頼人に相談もなく、履歴や計算書を見せずに低額和解した司法書士、報酬不明朗等々のトラブルは残高の事前確認とその依頼人への明示をしない日司連方式にも原因があったのではないか。

つまり改正貸金業法19条2に基づき、事前に残債権につき確認した上で、司法書士が、適切な債務処理を受任するのが良いか、債務者からの聞き取りと預金通帳などを調査しただけで、司法書士個人が依頼人の残債務の存否を判断し、その結果、司法書士が指定信用情報機関に事故情報として登録されることを債務者に覚悟させたうえで債務処理をした方が好ましいのかどうか、 日本司法書士連合会は司法書士の指導団体として、全国の司法書士に向けて、その処理方針についての判断と理由を明らかに示さなくてはならない。

さて、終わりに、強調しておきたいことは、弁護士会にしても、司法書士会にしても、改正貸金業法が施行されてから10年を経ようとしているのに、何故、これまで、改正貸金業法で与えられた債務者の情報受領権、19条2の権利の行使(債務者の唯一と言って良い証拠資料の収集権行使の援助)について、この権利の行使を国民に勧め、かつその援助をして来なかったのだろうか。謎である、全く不可解なのである。

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2  日司連と当事務所の手続きとの比較

第2 日司連と当事務所の手続きとの比較

日本司法書士連合会の
「司法書士が行う債務整理事件処理の手順」
は、司法書士の債務整理手続きについて、以下のように会員に指示しています。

① アポイントメント
② 相談

その内容について日司連は「第5 2 面談においては、負債の状況、資産及び収入の状況並びに生活の状況等の現状を具体的に聴き取り、依頼者の置かれた状況を十分に把握したうえで、債務整理事件処理及び生活再建の見通しを説明するものとする。」「債務整理事件の受任に際しては、依頼者の生活状況を包括的に聴き取り、個々の債権債務関係について取引履歴(原告 注 この段階では貸金業法上の取引履歴を業者からまだ取得していない)や預金通帳などを確認し、整合しない部分を質していくことも必要である( 注 この時点でカードローンの債務者に取引内容を質したとして、一体、どのような情報が得られるのであろうか、疑問である)。また、債権調査などを経て具体的な方針や手続きについて複数回打ち合わせをし、依頼者の心情を汲み取りながら生活全般について後見的な役割を果たすなど、依頼者と濃密な信頼関係を構築する必要もある。( 注 業者より貸金業法上の取引履歴を取り寄せて各債務について正しい残高を確定しないままにそのような調査、事情聴取をして、適切な債務整理手段の選択ができるのであろうか?)」


③ 委任契約の締結

②の念入りな相談後に、依頼者と資格者との委任契約の締結となるのですが、この締結後に、受任者である資格者は消費者金融業者に、委任状の写しと、その代理権限に基づく取引履歴の送付請求書を送り、その取引履歴を業者から受け取ります。そしてその取引履歴に基づき利息の再計算をし、初めて、資格者は、各債務の客観的な残高をほぼ知る事が出来るようになるのです。
一方、業者は、この委任状と情報の開示請求を受けつける一方、同時に事故扱い案件として処理し、貸金業法に基づき「指定信用情報機関」にその旨の届け出をし、会員業者にもその情報が公開される(ブラックとなる)ことになります。

④ 債務整理方針の決定

受任した、弁護士、司法書士には、業者から取引履歴が到着し、各債務の正しい残高が明らかとなります。この段階で、改めて、その計算結果をもとに、再度、債務整理方針を決定することになります。すでにこの段階では、業者においては事故案件となり取引停止となっています

⑤ 中間報告 業者との交渉過程を報告する。


⑥ 終了報告
⑦ 終了後の相談

以上のとおり、日本司法書士会連合会の債務処理指針は、①から⑦となっていますが、

城南司法書士事務所の手続は 

①のアポイントメントから始まり
②では、消費者金融業者からの各債務につき取引履歴を取り寄せ、利息制限法に引きなおして再計算します。

③では、その結果を債務者の方に報告し、その結果を見ながら訴訟代理(和解含む)とするか、本人訴訟をするか、計算結果の処理方法を相談します。法律上の論点、争点については、すべて裁判所の弁論の過程で、裁判官を前にして、主張、立証し、明らかにされて行くことになります。

以上を経て、裁判外又は裁判所においての和解又は判決で、事件は終了します。

 

日本司法書士会連合会の公式の会員向け指導要領に比べ、当事務所の債務処理は、きわめてシンプルなものであり、債務者の手続負担も軽いはずです。

日司連方式と当事務所との手続き上の大きな違いは、当事務所の依頼人が事故者扱いとされないこと。債務者本人が手続きの主役であること、この二つにありますが、この違いは決定的なものに思えます。

貸金業法改正時の重要な改正部分であった貸金業法19条2の債務者の情報受領権の意義について、日司連がどう理解しているのかわかりませんが、それを無視したまま令和の今日に至っています。

 

当事務所の手続きにおいては、そもそも債務処理の委任を受ける前に、債務者の法律上の権利に基づいて債務者の取引に関する情報を取り寄せ、利息制限法に引きなおした正確な残高を事前に確認し、債務者にその結果を通知するのですから、債務者にとって不利益なことは一切ありません。

その事前に確認した正確な残高をもとに、債務処理方針の選択を、依頼人の事情に基づいて、依頼人自身が自由に選択出来るというものです。それは債務者にとってとても重要なことではないですか。(次ページ 参考手続比較図)

プライバシーを司法書士資格者という他人にさらけ出さなくても、自己の設計した生活プランに基づいて借金整理をすればよいということになります(さきにも紹介しましたが、日本司法書士会連合会「債務整理事件の処理に関する指針の補足説明」3ページ下段には、司法書士は、「債務整理の受任に際しては、依頼者の生活状況を包括的に聞き取り、個々の債権債務関係について取引履歴や預金通帳などを確認し、整合しない部分を質していくことも必要である。また、・・・依頼者の心情を汲み取りながら生活全般について後見的な役割を果たすなど、依頼者と濃密な信頼関係を構築する必要もある」としています。

しかし、その指示には、国民消費者のプライバシーへの配慮や、財産権についての個人の選択権や自由への尊重という原理に対する配慮、基本的人権に対する配慮が全く欠けています。そこには、司法書士の国民の権利に対する上から目線と押し付けがましい家父長的倫理観が透けて見えるではありませんか。これでは国民の激烈な反感を買うことになることは間違いないと思います。

依頼人の方の中には、とりあえず取引の長い債務、一社だけの調査計算をお願いするという方もいらっしゃいます。その場合に、事務所はその一社だけについてでも「残高調査再計算業務」は受け付けますが、その結果が出てから、すでに弁済済みの債務について追加調査を依頼されることも良くあります。
当事務所においては、債務者の返済計画に応じ、同時的にでも、期間をあけてでも、選択的にでも、借金整理を実行して行くことが出来るのです。その間、訴訟が入れば手続きが1年以上にわたることも少なくありませんが、当事務所は、信用情報機関に登録されないように、業者への債務不履行となることを避けつつ弾力的に回収と弁済をはかって行くので、時間は多少かかっても損害はありませんし、プライバシーも守られ、突然ETCカードが使えなくなったというような事も起こりません。

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1 城南司法書士事務所のサービスとその内容

詳細解説
不当利得返還請求手続き

城南司法書士事務所の事務手続きの過程

第1 城南司法書士事務所のサービスとその内容

 

城南司法書士事務所(代表 勝瑞認定司法書士)は、平成20年、平成18年の最高裁判決を受けて、改正貸金業法の19条の2で規定された借主、債務者の消費者金融業者への情報開示請求権を活用し、債務整理にともなうリスク(業者にいきなり事故あつかいとされること)を避けた上で、債務者の返済計画に応じて、同時的にでも、期間をあけてでも、選択的にでも、債務の整理、過払金の返還請求が、安全、安心に出来る方法を採用し、そのサービスの提供を、最もそのサービスを求める人達、すなわち、「一体、いくら、現在、正しい借金の残高があるのか?」、その答えを切実に必要としている人達である債務者が多く集まる場所、消費者金融業者が全国に張り巡らした自動貸付け返済機、ATMで取引している債務者の集まるATM周辺において、貸金業法19条2の債務者の権利の存在を宣伝し、債務処理対策前の自己情報の事前残高確認サービスの提供をご案内してまいりました。その提供するサービスの内容について、ご説明します。

 

⑴ まず当事務所の担当職員が、債務者の方から債務残高確認の依頼を、過払い金の存否を知りたいという方からの依頼を受けます。

そのような場合、依頼者の方には、改正貸金業法19条2の権利を行使して、現在までの取引状況、借入金残高について調査をして頂く、つまり城南司法書士事務所が依頼を受けて、依頼者、債務者の方の権利を代行して、金融業者から取引履歴と計算書を取り寄せ、その計算書に基づき利息制限法による再計算を実行し、その結果を依頼人の方に御報告します。

ここまでが第1段階で依頼人の方に提供する当事務所のサービスで、これを事務所では「残高調査再計算業務」と称しています。

この残高調査、再計算業務は依頼人の方の権利を行使するだけの事務作業ですから信用情報機関に事故情報として登録されることはありません。信用情報機関は改正貸金業法により設立された、国の指定監督機関でもあり、その届出要件は法によって定められていますから、依頼人の方に不利益となるようなことはありません。

もし弁護士や司法書士に「債務整理」を「委任」していれば、資格者からの業者へのその受任の通知で、貸金業法21条9により、取引が停止され信用情報にも登録されることになります(資格者の介入通知による業者の信用情報機関への事故情報の登録は貸金業法上の義務であり、業者が登録しなければ行政処分の対象となる)。

⑵ 日本司法書士会連合会が会員に指示する手続き

さて、(1)で示した、当事務所の手続に対して、日本司法書士会が全国の司法書士に指示している手続きは以下のようなものです


平成22年6月16日、日本司法書士会連合会の全国司法書士会会長あての文書では、「司法書士が行う債務整理事件処理の手順」として①アポイントメント→ ②相談→ ③委任契約の締結→ ④債務整理方針の決定→ ⑤中間報告→ ⑥終了報告→ ⑦ 終了後の相談となっています。


この手続き指針では「債権者に対する調査を行い、債務額を確認し、家計収支をもとに具体的な債務整理の方針を決める」のは、④の(③委任契約締結後の)債務整理方針の決定の段階になっています。

通常、上記③の委任契約の締結後に、司法書士は消費者金融業者に、前記③で締結した委任契約により受けた委任状の写しとともに、取引履歴送付依頼の請求書を業者に送り、送られてきた計算書をもとに再計算して、債務額を確定し、その結果、はじめて正確な依頼人の債務の状態が分かり、それに基づき債務整理方針が立てられることになります。

しかし消費者金融業者の方では、委任状写しと履歴公開の請求を受けると同時に、介入通知ありと確認、債務者への請求を停止すると同時に取り引きを停止し、「事故情報」として社内処理し、その後、改正貸金業法41条の35-1 施行規則30-13-2-2 に基づき信用情報機関に届け出ることになります。その結果、信用事故情報が他の信用機関に公開されることになります。

しかし、取引履歴が業者から届いていない段階では、司法書士には、債務の存否も、その正確な額も過払金の存否も全く分かっていないのです。それにも関わらず、依頼人との取引は事故情報扱いとなってしまいます。業者からの債務者への請求が法律により止められる(貸金業法21条9)からです。

従って上記④の、司法書士が債務整理方針を決定する段階では、すでに全カード会社からの借入れも他のローン会社からの新規借り入れもストップしている状態になっています。ただ債権者からの催告がないだけなのです。結局支払いが停止するから自動的に債務不履行となるわけです。